2021年 5月24日公開

IT用語辞典

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OODA

制作協力:株式会社インプレス

読み方 : うーだ

OODA

英語の「Observe(観察)」「Orient(状況判断、方向付け)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」のそれぞれの頭文字を取った造語で「ウーダ」と読まれる。アメリカ空軍の戦闘機パイロットであり航空戦術家のジョン・ボイドが、朝鮮戦争における航空戦についての洞察を基盤に、航空戦に臨むパイロットの意思決定のプロセスを理論化したものであり、最近ではPDCAに代わるメソッドとしてビジネス分野でも注目されている。

PDCAが「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」をサイクルとして繰り返し、生産管理や品質管理などの改善を計画的かつ継続的に行うのに対し、OODAは「Observe(観察)」「Orient(状況判断、方向付け)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」を行う。PDCAは「目標を達成すること」を目的としているのに対し、OODAは「不測の事態へ適切に対応すること」を目的としているため、Check(評価)してPlan(計画)することは行わない。「Act(実行)」の後、再び「Observe(観察)」へ戻る「フィードバック」と、観察や状況判断はそのままで、瞬時に新たな意思決定を行い実行する「フィードフォワード」の二つがあり、それらをほぼ同時に迅速に行うため、サイクルではなくループと呼ばれる。例えば、大地震や台風などの自然災害や不測のトラブルが発生した場合、過去の経験や従来の改善活動が必ずしも有効とは限らない。そのため、現場の観察を基に判断・決定し、迅速に実行するというOODAが、IoTの拡大やAIの進化など、急速に変化する現在のビジネスシーンに求められるようになっている。

OODAとPDCAは用いられる目的が異なり、優劣を付けるものではない。PDCAをマクロ的な視点で企業や部門を見たビジネスメソッドとするならば、OODAはミクロ的な視点(現場視点)のビジネスメソッドと捉えることができる。