パス分析とは
EC(電子商取引)システムが蓄積したログデータを把握・分析するためのマーケティング手法のこと。ログデータには、顧客の行動履歴(購入・離脱)、店舗窓口やコールセンターでの応対履歴(クレーム処理)、ATMの操作ログ(解約)などがある。パス分析は、顧客の一連の動きを分析することから、「経路分析」といわれることもある。Webサイトの改善、広告効果の測定、安定利益の確保が狙いである。
GoogleのWeb解析サービス「Google Analytics」が代表的。インターネット広告事業を手がけるサイバーエージェントなどのインターネット事業者は、相次いでパス分析サービスを開始している。パス分析は、インターネットの顧客動向の把握や、解約した顧客の行動パターンの解析などに役立ち、需要が高まっている。
例えば、アメリカの大手銀行では、銀行口座を解約した顧客データを抽出し、顧客の行動を調べたところ、口座解約前に店舗窓口で自動引き落としの手続きを行っているパターンが多いことが判明。顧客にサービスや特典を手厚くし、解約率を20%から15%に引き下げたケースがある。
そのほかにも、航空機のメンテナンスデータと航空機に組み込んだ各種センサーの出力データを解析し、故障の発生パターンを検出して、航空機関連企業の保守コストの削減を実現したケースもある。