PDCA
英語の「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のそれぞれの頭文字を取った造語。計画、実行、評価、改善を繰り返すことで、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善する手法のこと。第二次世界大戦後にアメリカの物理学者・統計学者ウォルター・シューハートと弟子のエドワーズ・デミングにより提唱された手法で、提唱者の名前を取って「シューハート・サイクル」「デミング・サイクル」とも呼ばれる。
デミング博士は1950年代、日本の製造業に向けて統計的な品質管理の手法について講義しており、その品質管理の手法の一つとして、PDCAが用いられた。その後、トヨタ自動車をはじめとする多くの企業がこの手法を採用し、発展を遂げ、PDCAが日本経済の発展の一助になったといわれている。そのため、今でも多くの企業が新入社員研修としてPDCAをテーマにしたカリキュラムを組み入れている。
PDCAの最大のメリットは、生産管理や品質管理などの業務改善が継続的に行えることにある。一方で、常にCheck(評価)を行うため、Action(改善)に取り組むまでに時間がかかる、Action(改善)を急ぐあまりに正しいCheck(評価)をせずに失敗するなどが起こり得る。また、改善案を検証するのにサイクルを繰り返さなければならず、過去に実施した施策を評価して改善案を生み出すため、前例主義になりがちで、革新的な改善案が生まれにくいなどのデメリットも指摘されている。