冗長性
英語では「redundancy(リダンダンシー)」で、「余分なものがある」「重複している」という意味。「除かれるべき無駄」を意味する場合と、「万が一のときに備えて付加した余裕」を意味する場合がある。
IT分野としては、後者の意味合いが強く、予期しない事態に備えて予備を用意している状態を指す。例えば、サーバーやネットワークなどにおいて、機器の故障や突発的なアクセス集中による負荷の急増に備え、機器や回線などを複数用意し、並列で使用したり一部をすぐ使える状態で待機させたりすることである。このように予備を用意して緊急時に備えることを「冗長化する」といい、冗長化によって安全性が確保された状況を「冗長性がある」と表現する。
近年はサイバー攻撃以外にも、自然災害や人為的なミスなどによりサーバーやシステムなどが停止する事態が増えている。また、東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)策定の必要性が高まっていることなども背景に、冗長性はシステム構築の際に重視されるようになった。冗長性を確保することで、安全性や信頼性は高くなるが、その反面、制御システムなどを含めて予備を用意する費用がかかるため、労力やコストが増大するという欠点もある。