RFID
「Radio Frequency Identification」の頭文字を取った略語で、「近距離無線通信を用いた自動認識技術」のこと。メモリーを内蔵した数ミリ程度のタグと、読み取り装置の間で電磁波を交信させ、情報を読み取ったり情報を書き換えたりする非接触型の自動認識技術である。RFタグには、カード型、コイン型、シール型、リストバンド型、スティック型などがあり、用途に応じて使い分けることができる。また、データの書き換えが何度でも可能なタイプもある。
RFIDの特長として、主に次の点が挙げられる。
(1)ゲートを通過させたり専用のスキャナーをかざしたりする方法で情報を一括で識別できる
(2)電波の届く範囲であれば、箱の中や離れた位置にあるタグでも一括で読み取れる
(3)汚れがあっても情報を読み取れる
バーコードは1点1点スキャンが必要なため手間がかかるが、RFIDは複数の情報を一括で読み取ることができる。そのため、商品の入荷や検品、棚卸しなどの負担が軽減され、業務効率の向上を図れるのがメリットである。その反面、専用の読み取り機器やデータ管理用の専用パソコン、データを読み込むためのRFタグ(1枚10円程度)が必要となるため、バーコードより導入コストがかかるというデメリットもある。また、何らかの原因で商品情報が読み取れなかった場合、RFタグを特定することが困難という問題もある。
RFIDを応用した例としては、交通系ICカードのSuicaやPASMO、社員証(入退室管理)などがある。また、経済産業省は2017年、コンビニエンスストア各社と「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定。人手不足や商品ロスなどの問題を抱える小売や食品、アパレル、製造業などでの拡大が予想されている。