リッチクライアントとは
画面の生成や業務データの演算などの処理を、クライアント側で実行するWebアプリケーションの仕組み。
従来のWebアプリケーションはサーバー側で処理を実行し、クライアント側はWebブラウザーによる処理結果の表示やデータの入力を行う仕組みが一般的であった。この仕組みの利点は、クライアント管理が容易であることだ。例えば、クライアント側はWebブラウザーがあれば利用できることや、Webシステムがサーバーにあるため、システム更新時にクライアント側の作業が少ないことがあげられる。
一方、HTML技術を基本としたアプリケーションであるため表現に限界があり、クライアント側の使い勝手が悪く、画面の生成や処理の多くをサーバー側で行うので、サーバーやネットワークの負荷が大きくなるところが欠点だ。
リッチクライアントは、Webアプリケーションの利点を生かしながら、クライアント側でクライアント/サーバー(C/S)型システム並みの使い勝手を実現する。クライアント側では画面の制御やデータの分析などの処理を行い、高い操作性と表現力を備える。また、クライアント側のWebブラウザーにプラグイン(実行環境)をインストールする場合が多いので、配布にも手間がかからず管理が容易だ。サーバーとはHTTPやSOAPなどのWebプロトコルで作動する。
リッチクライアントを実現する技術としてマクロメディアの「Flash」、マイクロソフトの「スマートクライアント」、カールの「Curl」、アクシスソフトの「BizBrowser」などがある。