シェアードサービスとは
「共有するサービス(業務)」の意味。グループ企業内の基幹業務を1か所に集約して標準化し、グループ全体の経営効率と体質強化を図る手法の1つ。グループ企業内の事業部がおのおの処理していた共通の業務を、グループ内の1つの部門でまとめて処理を行う。コスト削減や業務の効率化、品質の向上を目的とする。
シェアードサービスの対象となる部門は主に間接部門が多く、対象となる業務は、日常的に大量に取引を処理する業務、月末や月初めなど特定の日に偏って大量の処理が必要な業務、専門的スキルを要する業務などだ。例えば、経理部門や財務部門の一般会計業務や財務業務、総務部門や人事部門の給与計算業務や社会保険業務、情報システム部門のヘルプデスク業務などが挙げられる。
シェアードサービスの効果として期待できるのは、人員や設備の集約や業務の標準化によるコストの削減、責任の明確化によるガバナンス意識の強化、内部統制品質の向上、内部牽制の強化などである。一方、シェアードサービスの導入は、初期投資や長期的な改革を必要とするため、業務の集約や移管に時間がかかるという点を考慮する必要がある。
シェアードサービスとよく比較されるBPO(Business Process Outsourcing)は、企業の特定の部門をすべて外部の企業に移管あるいは売却して、サービスを継続する経営手法を指す。