スマートシティ
スマートシティとは、国土交通省によると「都市の抱える諸課題に対して、ICTなどの新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営など)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義されている。つまり、ICTなどを活用して課題を解決し、全体最適化が図られた都市のことをいう。
これまで、スマートシティの取り組みにおいては、エネルギー問題や環境問題などを個別に解決する「個別分野特化型」が中心だった。しかし最近では、エネルギーや環境などはもちろん、教育や医療、交通、行政など、複数の課題に幅広く対応する「分野横断型」の取り組みに移行してきている。分野横断型のスマートシティでは、スマートフォンやインターネット、センサーなどから大量のデータを収集し、それをAIで分析・処理することで、都市の抱える課題を複合的に解決することが目標である。
スマートシティ構想はもともと、オランダが2009年、世界に先駆けて「アムステルダム・スマートシティ・プログラム(ASC)」を開始。その後、ビッグデータやAI、IoT、5Gなど、さまざまな領域における技術の発展の影響により、政府や地方自治体だけではなく、IT系プラットフォーマーもスマートシティの取り組みに参入してきている。
スマートシティの実現に向けては、ICTを活用した次世代電力網であるスマートグリッドをはじめ、監視カメラによる画像データの解析、交通情報の収集や制御を行うシステムなど、新たな技術やサービスの誕生も見込まれており、ビジネスチャンスの拡大が期待されている。