スマート農業
AI(人工知能)、IoT、ロボット、センサー、ドローンなど先端技術を使って農業を効率的に行うことをスマート農業という。自動化技術やロボットを活用して、労働力不足の問題を緩和できると注目されている。高齢化が進む農業の現場では、無人トラクターや収穫ロボットが人に代わって作業することで、少人数でも効率的に農作業ができる。AIやセンサーによるデータ解析で作物の生育に最適な環境を把握できるため、収穫量の増加や品質の向上も期待でき、結果的に収益の増加や農作物の安定供給につながる。
スマート農業は環境負荷を減らすことも期待されている。システムを導入して水質源の使用量を調整したり、データに基づいた分析で過剰な肥料使用による土壌・水質汚染のリスクを減らしたりできる。
農業の効率化が期待できるスマート農業だが、小規模な農業経営者にとっては導入コストの負担が大きいという課題がある。高齢化する農業の現場ではITスキルの不足から、技術導入に時間がかかる場合もある。このような課題の解決に向けて政府や自治体、企業が協力し、補助金の検討やITリテラシー向上のための研修を実施している。
地域全体でスマート農業に取り組む自治体も増えており、スマート農業の浸透と持続可能な発展を目指してさまざまな工夫がなされている。