STPとは
Spanning Tree Protocolの略。円環上(ループ状)に形成されたレイヤー2ネットワークにおいて、データトラフィックが永続的に流れ続けることを防止するプロトコルを指す。
ネットワークを構築するときは、信頼性を高めるため、ネットワーク機器に障害が発生しても迂回できるように、複数のスイッチを使用したネットワーク構成にするのが一般的である。ただし、このように通信経路を冗長化する場合、単に経路を複数用意すればいいわけではない。単純に冗長化すると、ループ状の個所ができることがあるからである。STPはこうした物理的に接続されたループを論理的に切断し、ループを回避するためのプロトコルである。障害発生時には、使われていなかったリンクのポートを自動的に開くことでスパニングツリーを構築し直し、通信可能な状態に復帰させる役目を果たす。
便利な反面、設定項目が多く、STPを補う機能やその設定値を把握しておかなくてはならない。そのため、管理ミスによるトラブルが生じやすい。また、STPでは、ブロッキングポートがあるので、使っていない帯域がネットワーク上に存在する。そのため最近では、新規のネットワーク構築ではSTPを使うことが少なくなっている。