システム子会社とは
ユーザー企業の子会社で、主に情報システムの開発・保守・運用を手がける企業のこと。企業が情報システムを導入するために本腰を入れて雇用した大量の技術者が余剰になったため、情報システム部門を外部に切り出し、別会社にした方が得策と判断したことから生まれた。
多くのシステム子会社は、親会社またはグループ会社のITインフラや共通系業務システム(メールやグループウェアなど)、コーポレート系業務システム(財務会計や人事、購買管理など)といった、主に社内システムの企画・開発・運用の実務部分を担っていた。ところが、親会社の業績が下がると、親会社向けの案件で培った業務知識を生かし、外販事業に乗り出す情報システム子会社が増加。一方、業務がシステム運用中心になったことで開発力が衰えたシステム子会社を売却する動きもあり、企業のITガバナンスが低下するという「情報子会社問題」も生じている。
そのため、システム子会社を本社に戻す企業も増えている。IT戦略において「ビジネス・ソリューションを提供する」ことが相対的に重視されるようになり、コスト削減という「守り」から、成長戦略に貢献するという「攻め」にシフトチェンジする傾向が強くなったからでもある。実際、インキ世界最大手のDICは2012年にシステム子会社を吸収したことで話題を呼んだ。