Tier1とは
Tier(ティア)は、「段」「階層」「結び付ける人」の意味。インターネットはプロバイダーに代表される大規模ネットワークが階層状に相互に接続して成立している。その階層構造の最上位に位置する最大手のプロバイダーをTier1(ティアワン)プロバイダーという。Tier1プロバイダーが、配下に中小のTier2プロバイダーやTier3プロバイダーを抱える。
Tier1プロバイダーが持つ「フルルート」と呼ばれる経路情報を参照し、インターネット全体の接続性を確保し、目的地までパケットを送り届ける。経路情報とは、受信したパケットを次にどのホストへ送信すればいいのかを決めるための情報のことだ。
経路情報を交換してプロバイダー同士を接続する形態には、「ピアリング」と「トランジット」がある。ピアリングはプロバイダー同士がお互いのトラフィックを交換して接続する形態のことで、ほかのプロバイダーへの通信は仲介しない。サービスの規模が同程度で、サービス提供エリアに大きな差がないプロバイダー同士の接続に使われる。
一方、プロバイダーの規模などに差がある場合は、下位のプロバイダーが上位のプロバイダーからフルルートの提供を受けて接続する。下位プロバイダーは、トラフィックの流量に応じた「運送料」を上位プロバイダーに支払って接続を仲介してもらう仕組みだ。