ユビキタスコンピューティングとは
コンピューターの所在を意識することなく、いつでもどこでも誰でもコンピューターを使える情報環境を表す概念。ユビキタスは、「偏在する」「いたるところに存在する」を意味するラテン語。ユビキタスコンピューティングは、1989年にXerox社パロアルト研究所のマーク・ワイザーが提唱した。ユビキタスコンピューティングが浸透し、便利で快適な生活を実現する社会を「ユビキタス社会」と呼ぶ。
ユビキタスコンピューティングの世界では、あらゆるモノにコンピューターが組み込まれ、コンピューター同士が協調動作する。コンピューターは、「見えないもの」として私たちに意識されることなく、ユーザーやユーザーの置かれている状況に応じて提供するサービスを変える。これにより私たちは高い利便性を得ることができる。
今やパソコンやスマートフォンをはじめ、冷蔵庫や電子レンジなどの遠隔操作可能な冷蔵庫や電子レンジなどの家電、自動車のカーナビゲーション、ウェアラブルデバイスなど、あらゆるモノがインターネットにつながっている(IoT:モノのインターネット)。多数の情報家電をホームネットワークに接続し、声をかけるだけで照明を点け、洗濯を開始し、レシピをアドバイスするなど、一元的に直観的な操作で遠隔制御できる。
人と車と道路とをネットワーク化し、交通事故や渋滞を解決する交通システムのITS(Intelligent Transport System)、渋滞、規制、駐車場、緊急事態などの道路情報をリアルタイムに利用するVICS(Vehicle Information and Communication System)、車同士がネットワークにつながる高知能自動車システムのSSVS(Super Smart Vehicle System)やSVN(Smart Vehicle Network)などのユビキタスコンピューティングの応用技術も実用化している。