VDT症候群とは
パソコンやゲーム機器などのディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を使った長時間作業により引き起こされる病気の総称。「IT眼症」とも呼ばれる。
仕事のほとんどをパソコンで作業するプログラマーなどがかかりやすく、「目が乾く」「視力が低下する」などの視覚系、「肩凝り」「手指のしびれ」などの骨格筋系、「イライラする」「不安感にさいなまれる」「睡眠障害」などの精神・神経系といった多種多様な症状が現れる。その原因としては、「目の酷使」「長時間同じ姿勢でいることによる血流不良」「目や身体の不調による心的ストレス」などが挙げられている。
厚生労働省では、2002年にVDT労働環境のためのガイドラインを策定し、VDT作業者の心身の疲労の軽減を図っている。ただし、眼精疲労が労災認定された事例はあるものの、VDT作業に伴う眼精疲労が労災保険の適用対象になることはまれである。目の健康を維持するには、労働環境を改善するだけではなく、「普段から正しい姿勢を心掛ける」「自分に合った度数の眼鏡をかける」「適度に運動をする」など、自己管理に努めることが大切といわれている。