ウイルス作成罪とは
コンピュータウイルスの作成や提供、供用、取得、保管をしたりすることで成立する刑罰。2011年の刑法改正により新たに設けられたもので、正式名称は「不正指令電磁的記録作成罪」である。
正当な理由がないのに、無断で他人のコンピューターにおいて実行させる目的で、ウイルスを「作成」したり「提供」したりした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられる。同様に、ウイルスを「取得」したり「保管」したりした場合には、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられる。法務省は、「(1)正当な理由がない」「(2)無断で他人のコンピューターにおいて実行させることを目的とする」の2点を満たさないと罪にならないと強調している。
それまでは、国内に犯罪目的のウイルス作成や配布を取り締まる法律がなく、ウイルスを用いた犯罪行為を直接取り締まることができなかった。ウイルスを作成・配布したとみられる人物が逮捕されているものの、その罪状は「著作権法違反」や「器物損壊」などだった。2011年7月、コンピュータウイルスを自宅のパソコンに保管していたとして、警視庁サイバー犯罪対策課は岐阜県在住の男性を現行犯逮捕。これが全国で初めて同罪が適用された例であった。