VUCA
「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(あいまい性)」の頭文字を取った造語。「ブーカ」と読み、未来の予測が困難な状態になった時代や社会を指す。
もともとは1990年代、冷戦後の戦局の見通しが不透明になった状態を指す軍事用語として用いられた。それが、東日本大震災、イギリスのEU脱退、ITの著しい進歩、新型コロナウイルスのまん延など、想定外の出来事が世界中で次々と発生したことにより、社会やビジネスなどにおいて予測困難な状態を示す用語として使用されるようになった。「今はVUCAの時代(社会)で先行きが不透明だ」などといった文脈で使われることが多い。
VUCA時代とは、不確定要素が多く、未来を予測しづらい世界である。そのような時代を生き抜くためには、変動性、不確実性、複雑性、あいまい性を念頭に置き、次のことを踏まえて行動することが大切とされている。
(1)明確なビジョンを持つ
「将来どうありたいか」を明確にし、社会状況が変わっても、その目標を基準に行動できるようにする。
(2)予測できない事態を受け入れる
状況が刻々と変化していくVUCA時代には、過去の方法をそのまま踏襲するのはリスクが高い。予測できない事態が起こっても柔軟に受け入れる姿勢を保つ。
(3)トライ&エラーを意識する
良いアイデアがあったら失敗を恐れずに行動し、その後、軌道修正や撤退といった次善策を考えるようにする。
(4)トップダウンからアジャイル型へ変革する
トップダウン(上意下達)型の体制は、意思決定に時間がかかる傾向がある。意思決定のスピードがビジネスの成功を左右するVUCA時代には、上司の判断を待つことなく、現場スタッフの意思決定を尊重する「アジャイル型」組織へと変革させていくことが必要である。
(5)リスクマネジメントを意識する
計画どおりに進まないことが起こりやすいVUCA時代には、日ごろから想定されるリスクを把握したうえで、その軽減策を考えるリスクマネジメントを意識的に行う。