2012年 7月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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パソコンの節電方法

テキスト/芝田隆広

昨年の震災の影響もあって、今年の夏は電力不足が心配されている。また電気料金の値上げも避けられそうにない。パソコンは日々長時間使用する機器だが、ちょっと設定を工夫するだけで消費電力をグッと抑えることができる。今回は手軽に実行できて、しかも効果の大きな「パソコン節電テクニック」を紹介する。

パソコンってどのくらい電気を使うの?

日々仕事で使っているパソコンが、どの程度電力を使っているかはそのパソコンの構成によって異なる。一般に、搭載しているCPUなどのパーツが高性能であればあるほど消費電力は大きい。現在のパソコンだと、ノートならばだいたい50~100W程度、デスクトップPCだと100~250W程度といったところが標準的だ。この数値は他の家電製品と比べると、さほど高くはないが、長時間使うものだけにたまりたまると相当な電力消費量となってしまう。

なお、自分が使っている電気製品などの、実際の消費電力を知りたい場合は、「ワットチェッカー」という機器を利用することで計測できる。気になる人はこういった機器を購入してチェックしてみるのもいいだろう。

今回の記事作成に利用したワットチェッカー、サンワサプライ「TAP-TST7」。実売価格は5000円程度だ。

利用するときは、計測したい電気製品の電源コードをワットチェッカーに差し込み、ワットチェッカーをコンセントに差し込む。

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ディスプレイの輝度を下げてみよう

多くのパソコンで最も電力を使う部分。それは画面表示だ。ディスプレイのサイズが大きければ大きいほど、表示が明るければ明るいほど、多くの電力を消費する。以下のグラフは筆者が使っている液晶ディスプレイで、画面の明るさ(輝度)を調整したときの消費電力を示したものだ。このディスプレイでは輝度を0~100の間で調整できるが、輝度最大の場合は62Wも消費していたのが、輝度70に抑えただけで47Wまで消費電力を低減できた。

普段使っているときは輝度を最大にしているとまぶしく感じるし、疲れ目の原因にもなる。もちろん画面を暗くしすぎると画面が見づらくなるが、自分の見やすい範囲で画面の明るさを調節しておけば、目に優しいだけでなく節電にもなる。

デスクトップPCならばディスプレイ側に輝度を調整できるボタンやメニューが搭載されているはずだ。ノートパソコンの場合は、Windows 7だと「コントロールパネル」の「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」で「画面の明るさ」を調整すればいい。またちょっと席を離れるときなども、こまめにディスプレイの電源を切るようにすると、かなり消費電力を抑えることができる。

単位:W(ワット)。使用機種:イーヤマProLite E511S(17インチ・1600×1200ドット)。ディスプレイの輝度を調整すると、かなり消費電力を抑えることができる。

ノートパソコンなら、「コントロールパネル」の「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」でディスプレイの輝度を調節できる。画面下部のスライダーを動かすと画面の輝度が変更可能だ。

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Windowsの電源プランを変更する

さらに細かく設定したいときは、電源プランを選択したうえで「プラン設定の変更」をクリックする。ここで設定できるのは、デスクトップなら「ディスプレイの電源を切る」「コンピューターをスリープ状態にする」の2項目。ノートパソコンの場合は、「ディスプレイを暗くする」が加わる。

これらの項目は、パソコンのマウスやキーボードを操作していないときに一定の時間が経つと、自動でディスプレイを暗くしたり表示をオフにしたり、コンピュータを「スリープ状態」(パソコンのCPUとメモリ以外の部分の電源をオフにした状態)にすることを指す。パソコンをつけっぱなしにしたまま席を離れたりしたときなどに、自動で不要な部分を節電モードにしてくれるわけだ。

さらにこの画面で「詳細な電源設定の変更」をクリックすると、一定時間が経つとパソコンのハードディスクを一時停止したり、拡張スロットの電源管理などが行える。このあたりの設定はある程度の知識が必要となる。

とりあえずてっとり早く設定したいという場合は、プランを「省電力」にしておき、必要があれば「プラン設定の変更」で、ディスプレイとスリープ状態に入る時間だけ設定しておけばいいだろう。なおWindows XPなら、コントロールパネルの「パフォーマンスとメンテナンス」→「電源オプション」で同様の設定を行える。

「コントロールパネル」の「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」で電源プランの選択が可能。とりあえず消費電力を抑えたい場合は「省電力」にチェックを入れるといい。さらに詳しく設定する場合は「プラン設定の変更」をクリック。

「プラン設定の変更」を選ぶと、「ディスプレイの電源を切る」「コンピューターをスリープ状態にする」を実行するまでの待機時間を設定可能。さらに細かな設定を行うときは「詳細な電源設定の変更」をクリックする。

「詳細設定」画面では、一定時間パソコンの操作がなかったときにハードディスクの電源をオフにする待機時間の設定など、より細かな設定が行える。ある程度パソコンに詳しい人は、これらの項目も設定してみるといい。

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「Windows PC 自動節電プログラム」で省電力設定

上記のようなWindowsの設定をいちいち手動で行うのが面倒という人は、マイクロソフトが配布している自動節電設定ソフトである「Windows PC 自動節電プログラム」を利用してみるといい。

使い方は非常に簡単で、「Windows PC自動節電プログラムについて」をWebブラウザで開き「Fix it」ボタンをクリックするとダウンロードされるファイルをダブルクリックして実行するだけだ。これだけでマイクロソフトがオススメするWindowsの節電設定が自動で適用される。

細かい知識がなくても実行するだけで、ディスプレイの輝度を下げたり、省電力プランを選択したりといった設定をしてくれるので、ユーザは細かいことを意識しないで設定を行える。本プログラムはUSBメモリ上からでも実行できる。「職場のパソコンをまとめて省電力設定したい」といった場合は、いちいちコントロールパネルを開いて設定していくのも面倒だし、本プログラムを使ってワンタッチで設定していくと便利だ。

Windows PC自動節電プログラムについて

「Windows PC 自動節電プログラム」は「Windows PC 自動節電プログラムについて」から入手可能。このサイトをWebブラウザで開き「Fix it」ボタンをクリックするとファイルがダウンロードされる。

ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとこのような画面が表示されるので「同意する」にチェックを入れて「次へ」ボタンを押すと、「Windows PC 自動節電プログラム」が実行される。

実行が終わるとこのような画面が表示される。自動でパソコンがマイクロソフト推奨の節電設定になる。

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使わない機器はこまめに電源オフ

このほか基本的なことだが、もしパソコン周りでつけっぱなしにしている機器があったらこまめに電源をオフにしておくといいだろう。例えばUSBメモリや、USB接続のカードリーダー、Webカメラなどを差しっぱなしにしていると、利用していないときでも微弱ながら多少の電力は消費する。

またノートパソコンをLANケーブルでネット接続しているときは、無線LANは切ってしまってもかまわないはずだ。ノートパソコンに無線LANのON/OFFスイッチがあれば、簡単に無線LANをオフにできる。こまめな管理で節電して、電気料金を節約しよう。

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