2016年10月 1日公開

【連載終了】仕事効率を上げるパソコン手帖

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パスワード入力が不要になる? Windows 10の新機能「Windows Hello」

テキスト: 芝田隆広

WindowsのログオンやWebサービスの利用など、最近はありとあらゆる場面でパスワードの入力が求められる。しかしパスワードをいちいち入力するのは面倒だし、管理も大変だ。そこで最近クローズアップされてきているのが、指紋などの身体的特徴を使った「生体認証」。今回はWindows 10で標準された生体認証システムである「Windows Hello」について解説する。

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パスワードはもう古い? 指紋や顔で手軽にログオン

WindowsのログオンやWebサービスの利用をするときに欠かせないのが、パスワードの入力だ。しかし最近では、パスワードを使うことのデメリットがさまざまな面から指摘されるようになってきた。パスワードを利用することによるデメリットとしては、主に以下のようなものがある。

  • パスワードを記録しておいた紙などの紛失
  • 悪意あるユーザーにパスワードを盗まれる危険性
  • 複数のソフトやサイトで同じパスワードを利用し一度に大量の情報が漏えいする
  • いちいち入力するのが煩雑

パスワードは他人から推測されにくいものを使用するべきだが、意味のない英数字や記号の羅列だと、利用者がパスワードを覚えづらい。またソフトやサイトごとに違うパスワードを使うのが望ましいが、たくさんのパスワードを使い分けていると管理が大変になってしまう。

パスワードとは、そもそも「そのパソコンやサイトを、登録者以外のユーザーが利用できないようにする」ための仕組みだ。ということは「そのユーザーだけが持つ特徴」を使って認証を行えれば、パスワード入力は必要なくなる。そこでクローズアップされているのが、指紋などの、ユーザー固有の身体的特徴を使って認証を行う「生体認証」だ。

例えば指紋でログオンを行えれば、パスワードを入力しなくて済むので、キー入力を監視されてパスワードを盗用される危険性がなくなる。また指をセンサーに当てるだけで済むので、キーボード入力の手間もなくて楽だ。

Windows 10では、「Windows Hello」と呼ばれる生体認証を用いたWindowsログオンの仕組みが搭載された。これを利用すれば、パスワード入力の手間をなくし、パスワード漏えいの危険性も最小限に抑えられるというわけだ。

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Windows 10の新認証機能「Windows Hello」を使いこなす

Windows 10で導入された「Windows Hello」は、生体認証を使ってWindowsにログオンできるようにするための仕組みだ。Windows Helloで利用できるのは、指紋、顔、眼球の虹彩を使う生体認証だ。この中で、特に指紋認証は、採用されているパソコンも多いので、おなじみという人も多いだろう。

Windows Helloを使うためには、「PIN」と呼ばれる最低4桁のログオン用の数字を設定しておく必要がある。WindowsにログオンするときにはMicrosoftアカウントを利用している人が多いだろうが、Microsoftアカウントはパスワードがインターネット上に格納され、OutlookやOneDrive、Office365のログオンにも利用される。その点、PINはパソコン内に保存され、Windowsのログオンにしか使われない。そのため漏えいしても被害が最小限に抑えられるというメリットを持っている。

「Windowsの設定」画面

Windows Helloを使うためにはまずPINを設定しておく必要がある。Windowsのスタートメニューで「設定」を選択し、「アカウント」をクリックする。

サインインオプション画面

「サインインオプション」の「PIN」の欄で、「追加」ボタンをクリックする。

「Windows セキュリティ」パスワード入力画面

ローカルアカウントでWindows 10を利用している場合は、アカウントのパスワードが要求されるので入力して「OK」ボタンをクリック。

「Windows セキュリティ」PINのセットアップ画面

PINは4桁以上の数字を入力する。入力が終わったら「OK」をクリックすれば設定完了だ。

Microsoftアカウントを利用せず、ローカルアカウントでWindowsにログオンしているユーザーの場合は、ローカルアカウントに対するパスワードも設定しておく必要がある。タイトルで「パスワード入力が不要になる」と書いたが、あくまで「ログオン時の入力」が不要になるだけで、PINやパスワードそのものが不要になるわけではない。

さてPINやローカルアカウントのパスワード設定が終わったら、「Windows Hello」の設定を行う。Windows 10の「設定」から「アカウント」をクリックし、「サインインオプション」を選択してWindows Helloの項目で「セットアップ」を行う。パスワードやPINの設定は事前に済ませておく。

指紋認証の場合であれば、画面の指示に従って指紋をスキャンすればよい。あとはWindowsのログオン画面で、指紋センサー上で指紋をスキャンすれば、Windowsへのログオンが行える。顔認証、虹彩認証の場合も利用方法は同様だ。

「Windouw Hello」指紋認証セットアップ画面

Windows Helloの設定を行うには、Windowsのスタートメニューの「設定」で「アカウント」を選び、「サインインオプション」をクリックする。筆者のノートパソコンには指紋センサーが搭載されているので、指紋認証が使用できる。「Windows Hello」の項目で「セットアップ」を選択する。

「Windows Helloセットアップ」画面

Windows Helloの設定画面が表示されるので「開始する」をクリックする。

「Windows セキュリティ」PINコード入力画面

このような画面が表示されるので、先ほど設定したPINを入力する。

「Windows Helloセットアップ」指紋センサーで指をスワイプ画面

指紋センサーを使って指紋を登録する。何回か指紋センサーを指でなぞると登録が完了する。

指紋センサーを使ってWindows 10にログオンしている画像

Windows Helloの設定を行うと、指紋センサーを使ってWindows 10のログオン認証が行えるようになる。

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Windows Hello対応の外付けデバイスも登場

Windows Helloで生体認証を行うためには、パソコン側に認証用のハードウェアが必要になる。筆者が使用しているノートパソコンはWindows 7時代のものだが、搭載されている指紋センサーは、Windows 10のWindows Helloでも使用できた。このほかUSB接続の外付け指紋センサーでも、Windows Helloに対応したものが登場してきている。

ラトックシステムの指紋センサー「SREX-FSU3」

ラトックシステムの指紋センサー「SREX-FSU3」は、Windows 10に対応しており、Windows helloでのログオンも利用することができる。

このほか、顔認証や虹彩認証については「Real Sense」という規格に対応した3Dカメラが必要となる。マイクロソフトのタブレットPC「Surface Pro 4」にはReal Sense対応カメラが搭載されているほか、今後は周辺機器メーカーから外付けの対応カメラも登場してくると思われる。

このほかWindows 10には、Windows Helloの生体認証を使って、各種のWebサービスにログオンできるようにする「Microsoft Passport」という機能も搭載されている。まだ対応サイトやサービスは見られないものの、普及が進んでいけば、指紋などを使ったログオンがより簡単に行えるようになるはずだ。今後の普及に期待したい。

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