2018年 3月27日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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年度末!使わなくなったパソコンの廃棄・再利用

ライター/芝田隆広

  • PC
  • ビジネス

年度末を迎えた職場は、人の入れ替えと共にパソコンの買い替えが多くなる。その際に問題となるのが「今まで使っていたパソコンをどうするか?」という問題だ。そこで今回は使わなくなったパソコンの廃棄・再利用について考えてみた。

使わなくなったパソコン…処分はどうしたらいい?

3月、4月はビジネスの現場でも年度末・年度初め。人の入れ替えだけでなく、パソコンの買い替えも多くなる。新しいパソコンになれば、性能がアップし、気分スッキリと仕事を始められる。しかし忘れてはいけないのが「今まで使っていた古いパソコンをどうするか?」ということだ。

業務で使っていたパソコンを廃棄するときは、ただそのまま「燃やせないゴミ」として処分するというわけにはいかない。パソコンのハードディスクなどの記憶装置には、今まで業務で使用していた重要なデータが記録されており、廃棄したパソコンを誰かに拾われてデータを抜き取られたりしたら大変な損害を被りかねない。

またパソコンのパーツにはそのまま捨てると有害な部品や、資源として再利用できる部分も多く含まれており、「産業廃棄物」として扱われる。これらは通常のゴミとして処分することはできないのだ。

「一般社団法人パソコン3R推進協会」のWebサイトなどには、パソコンの廃棄・リサイクルについての情報がまとめられている。パソコンを処分する前に一度目を通しておいてほしい。

「一般社団法人パソコン3R推進協会」

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パソコンを処分するときはデータの扱いに要注意

パソコンの入れ替えを行うとき、まず真っ先に行いたいのが、これまで使っていたデータのバックアップと消去だ。

パソコン間でデータを引っ越す方法については、本連載の「異動・引っ越しの季節! パソコン間のデータ移行方法」で詳しく取り上げているのでそちらを参考にしてもらいたい。

バックアップ・データの移行が済んだら、次に元のデータをきちんと削除しておこう。といっても単純にファイルをWindowsの「ごみ箱」に入れて、「ごみ箱」を空にしただけでは不完全だ。Windowsの「ごみ箱」を空にしてもそのままではハードディスク上にファイルの痕跡が残る場合があり、専用のデータ復元ソフトを使えばデータを復元できてしまうことがあるのだ。

詳しい仕組みについては本連載の「これで安心!データの完全削除。ベストな方法とは?」で解説しているのでそちらを参照してほしい。悪意のあるユーザーが廃棄したパソコンのHDD内からデータを復元して、情報漏えいするようなことになれば損害は甚大だ。

パソコン内のデータを完全に消去するソフトとしてはアイ・オー・データ機器の「完全データ消去ソフト」などがあるが、データ完全消去はかなり時間のかかる作業なので、処理するパソコンの台数が多くなると大変だ。そこで次に紹介するメーカーの専門サービスを利用することを考えたい。

「異動・引っ越しの季節! パソコン間のデータ移行方法」

「これで安心!データの完全削除。ベストな方法とは?」

たのめーる アイ・オー・データ機器の「完全データ消去ソフト」

ハードディスクなど記憶装置内のデータを完全に復元不可能なように消去したい場合は、アイ・オー・データ機器「完全データ消去ソフト」など専門のソフトが必要になる。USBメモリなどを廃棄するときにも使えるので職場に1本常備しておいてもいいだろう。

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廃棄するなら専門のサービスを利用するのがおすすめ

古いパソコンのバックアップが終わり、パソコンを処分することが決まったら、いよいよ廃棄の手続きを行っていく。事業系パソコンについては、「資源有効利用促進法」に基づき、使用済みパソコンをメーカーがリサイクルする仕組みが用意されている。「一般社団法人パソコン3R推進協会」のサイトの「事業系PCリサイクル」のページに詳しいことが記載されているが、これはパソコンメーカーまたはパソコン3R推進協会にの窓口に申し込みを行って見積もりを出し、回収・処分・資源としての再利用までを依頼する仕組みだ。

「一般社団法人パソコン3R推進協会」に掲載されている事業系PCリサイクルの手順。パソコンメーカーまたはパソコン3R推進協会に申し込みをして処理を行っていく。

「一般社団法人パソコン3R推進協会」

ただパソコンメーカーによるパソコンの廃棄は、各パソコンメーカーで行うため窓口がそれぞれ異なる。複数メーカーのパソコンや周辺機器をいっぺんに廃棄するとなると、少々手続きが面倒だ。またBTOメーカー(注1)など窓口が上記のサイトに掲載されていないものもある。

  • 注1 BTOパソコンとはBuild To Orderの略。受注生産方式で買うパソコンのことです。

そういった場合におすすめなのが大塚商会で提供している「大塚商会 データ消去&買取サービス」だ。使用済みパソコンの買い取りを行ってくれるだけでなく、データの完全消去も行ってくれる。処理台数の制限がなく、パソコンのほか、タブレット、ハードディスク、スマートフォンなども処分できるので一括処分時には非常に便利だ。

「大塚商会 データ消去&買取サービス」

「大塚商会 データ消去&買取サービス」は、使用済みパソコンやハードディスクなどのデータ消去や買取などをまとめて行ってくれる。

「大塚商会 データ消去&買取サービス」の取扱製品は多岐にわたる。処分する機器があったら相談してみるのも一つの手だろう。

また「PCライフサイクルサポート」では、パソコンの選定・調達から始まり、PCの修理・データ復旧といった使用中のメンテナンス、データ消去や買い取りといった処分まで対応できる。PCの購入から最後の処分まで、まとめてサポートしてくれるので、新しいパソコンの導入時に利用を検討してみるといいだろう。

「PCライフサイクルサポート」

「PCライフサイクルサポート」では、PCの新規導入時から廃棄時まで一括してサポートを行ってくれる。職場でPCを新規に導入するならサポートを申し込むと安心だ。

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使わなくなったパソコンを再利用するという手も

使わなくなったパソコンでも、比較的新しい製品だったり、状態が良いパソコンであれば別の用途で再利用するという手もある。

例えばスキャナーや複合機をつないでおいて、部署のみんなで共有できるスキャニング専用機にしたり、大容量HDDをつないでおいてファイル共有用マシンにするといった使い道が考えられる。また、もしパソコンの知識が豊富なユーザーがいるのなら、Linuxなどの無料OSを入れるなどして、サーバーマシンとして使うといった手もあるだろう。

ただしこのような再利用を行う場合は、先に触れたようにデータの完全削除を行っておき、できればOSの再セットアップをしてから使うようにしたい。複数人で共用するマシンに古い業務用データなどが残っていると、思わぬトラブルの原因となることもあるためだ。使わなくなったパソコンも立派な資源だ。廃棄の仕方や再利用方法などを考えたうえで、適切に処理しよう。

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