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1.CPU――それはコンピューターの計算をつかさどる頭脳
パソコンはさまざまなパーツを組み合わせて作られている。搭載されたパーツの優劣がそのパソコンの性能となるわけだが、パソコン選びにおいて最も重要になるパーツが「CPU」だ。
CPUとは「Central Processing Unit」の略で、日本語にすると「中央演算処理装置」となる。名称は小難しく感じるかもしれないが、要するにパソコンの処理における主要な「計算」の部分を一手に引き受けているパーツと考えればいい。コンピューターの頭脳に当たる部分だ。
CPUが高性能であればあるほど、多数の計算を高速に行うことができる。つまりパソコンの動作が速くなり、より快適に日々の作業を行える。パソコン全体の速度はそのほかのパーツによっても左右されるが、CPUがその中でも最も影響が大きいパーツといえる。
自分のパソコンに何というCPUが搭載されているかを調べたい場合、Windows 10ではスタートボタンを右クリックして「システム」を選択する。
「システム」の画面で「デバイスの仕様」を見ると、「プロセッサ」欄にそのパソコンに搭載されているCPU名が記載されている。
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2.CPUの性能を判断するための主要4項目
さて一口にCPUといっても非常に多くの種類があり、性能を示すさまざまな項目がある。現在のCPUの性能を判断するためには、まず次の4項目を押さえておいてほしい。
(1)コア数→CPUに内蔵された計算を行う部分の数
「コア」とは一つのCPUチップ内における「演算を行う部分」の数だ。昔は1個のCPU内に「コア」は1個しか内蔵されていなかった。それが最近では複数のコアを内蔵するようになっている。「デュアルコア」ならばコア数は2、「クアッドコア」ならばコア数は4。コア数が多ければ多いほど、同時並行で多くの処理を行える。
CPUを「そろばん」に例えると、デュアルコアであれば「二つのそろばんを両手で同時に使って、二つの計算をいっぺんにする」といったイメージだ。同時に扱えるそろばんの数が多ければ多いほど、たくさんの処理をいっぺんにこなして全体の作業を速やかに終えられる。
(2)スレッド数→一度に処理できる数
ややこしくなるが、現代のCPUには一つのCPUコアを擬似的に複数のコアとして扱う「マルチスレッディング」という技術が採用されている。例えば物理的には4個のコアを各2コアとして認識させることで、「4コア8スレッド」にするといった具合だ。ただしこれはいわば「OS上で擬似的に各コアの効率を高めている」状態なので、実際の物理コアが多い方が処理能力は高い。「8コア8スレッド」と「4コア8スレッド」の場合なら、「8コア8スレッド」の方が高速ということになる。
「そろばん」に例えると、一つのそろばんを左右に分けて二つのそろばんとして使うイメージ。ただしあくまで擬似的に二つに分けているだけなので、同時に行える作業は限られる。
(3)クロック周波数→各コアの速度
CPUが処理を行う際に信号を扱う速度を表し、「Hz(ヘルツ)」という単位で表記される。細かい説明は省略するが、基本的にはこの数値が大きければ大きいほど処理速度は速いということになる。
クロック周波数はそろばんでいえば玉をはじく速度ということになる。これが速ければ速いほど一つの計算を素早く終えられる。
(4)キャッシュ容量→CPU内部のメモリー容量
CPU内部には、CPU外部から受け取ったデータを一時的に保管しておくための「キャッシュメモリー」が内蔵されている。基本的にこの容量が大きければ大きいほど計算は速くなると考えればいい。
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3.CPUの型番の見方を覚えよう
現在、Windowsパソコンで使われているCPUは、インテル社とAMD社のものがシェアを二分している。かつてはインテルが圧倒的なシェアを占めていたが、最近ではAMD製品が低価格・高性能を武器にシェアを急拡大し、現在では拮抗(きっこう)する状況になってきている。
両者から非常に多くのCPU製品が発売されており、製品名はアルファベットと数字の羅列なので何がなんだかよく分からないという人も多いだろう。しかしCPUの型番の表記には一定の法則性があるので、これを把握するとその製品の位置付けが分かりやすくなる。
上記の図はCPUの型番を表している。これらは五つの部分に分割できる。
(1)メーカー名
CPUを製造しているメーカー
(2)ブランド名・シリーズ名
製品ごとにブランド名が冠されている。自動車でいえば「レクサス」「N-BOX」などといった製品名のようなものだと思えばいい。「i7」「i9」といった部分は「シリーズ名」と呼ばれ、数字が大きいほど性能が高い。
(3)CPUの世代
CPUは定期的に世代交代が行われている。最初の1桁、あるいは2桁が世代を表す番号となっており、数字が大きいほど新しいということになる。
(4)プロセッサーナンバー
各世代内でのランク付けを表している。基本的に数字が大きいほどハイエンド=性能が高いと考えていい。
(5)製品カテゴリー
末尾のアルファベットはそれぞれ「グラフィック機能の有無」「一般向け」「低消費電力」などの製品カテゴリーによって割り振られている。
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4.インテルとAMDのCPUブランド
インテルとAMDのCPUブランドについては、主に以下のブランドが用意されている。どちらも上から順に性能が高い。
インテル製の主なCPUブランド
Core:デスクトップパソコン向けの主力ブランド
Core m:小型PC向けのブランド
Pentium:バリュー向けCPU。Coreシリーズよりは安価で低速
Celeron:Pentiumよりさらに低価格なCPU。低価格PCやノートPCなどで採用されている
Atom:タブレットPCなどに使われる。性能は低いが低消費電力
AMD製の主なCPUブランド
Ryzen Threadripper
Ryzen 9
Ryzen 7
Ryzen 5
Ryzen 3
Athlon
「Ryzen Threadripper」が最上位となっており、以下にRyzen 9、7、5、3があるほか、ローエンド用として「Athlon」というブランドもある。
このようにCPUを見てきたが、パソコン購入時のCPU選びは基本的に、
- 価格の許す範囲でできるだけ上位のシリーズのCPUを選ぶ
- 同シリーズのCPUであればコア数、スレッド数、クロック周波数、キャッシュ容量のスペックを確認
ということになる。
より優秀なCPUを搭載したパソコンであれば、より快適に作業が行える。また十分な性能を搭載したパソコンであれば、それだけ製品寿命も長くなる。パソコン選びの最重要ポイントの一つなので、しっかりとチェックしておいてほしい。
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