1. 最新ノートPCのトレンド解説
具体的なおすすめモデルを紹介する前に、最新トレンドを紹介するとともに、注目の仕様や機能について紹介解説していこう。
CPU
まず、インテル系CPUに関しては、ノートPCの発売時期によって、第12世代Core(Alder Lake)、もしくは第13世代Core(Raptor Lake)が搭載されている。第13世代Coreは、最大クロック数が向上しているほか、キャッシュメモリーが増量されているなどパワーアップしているため、選ぶなら13世代の方がいいのだが、まだ搭載しているモデルが少なく、選択肢はそれほど多くない。ノートPC全体のパフォーマンスを見て、第12世代を選ぶ方法もあるだろう。なお、コストパフォーマンスを重視するならAMDのRyzen9を搭載したノートPCも選択肢になる。ビジネスユースにおいては基本性能にそれほど大きな差はなく、インテル製CPUを搭載したモデルと比べて2~3割安く購入できることが多い。
メモリー・ストレージ
これらは、予算内でできる限り大きいサイズを選ぶのがポイント。メモリーに関しては、4GB・8GBではやや物足りない。特に複数のアプリを同時に使うことが多いなら、できるだけ16GB以上を搭載するモデルを選びたい。各メーカーの直販サイトで購入できるカスタムモデルなら、32GBメモリーを搭載するモデルも選択できる。
ストレージに関しては256GB、512GBのSSD搭載モデルが多いが、これは保存するデータの量によって選択肢は変わってくる。自社サーバーやクラウドサービスに保存するのが基本で、ノートPCにデータを置いておかないならストレージは256GBでも問題ない。高画質写真や動画などを保存するならできるだけ大容量にしよう。
ディスプレイ
これまでモバイル向けノートPCのディスプレイは13型クラスがスタンダードだった。しかし、最新モデルでは少し大きな14型を搭載するモデルが増えている。また、横長のワイド型ではなく、アスペクト比16:10で少し縦に長いモデルも増加している。
リモート会議対応
最新のノートPCには、フルHD画質のWebカメラやノイズキャンセリングマイク、高音質スピーカーなどリモート会議用の機能を備えたモデルが増えている。中にはAI機能によるマイク音声の高音質化やカメラ映像から背景だけをぼかす機能などを独自で搭載するモデルもある。リモート会議が多いならこういった機能が充実したモデルを選びたい。
バッテリー関連
モバイル向けノートPCのバッテリー駆動時間は、本体質量とのバランスが重要だ。Web会議は特にバッテリーの消耗が激しいので、長時間駆動を実現するために大容量バッテリーを搭載すれば、本体は重くなってしまうのがこれまでの常識だった。しかし現在は、軽量と長時間駆動を兼ね備えたモバイル向けノートPCが増えている。中には本体質量が1kgを切りながら通常使用で24時間以上駆動できる軽量・タフネスモデルもあるのだ。コンセントからの給電ができない場所で使うことが多いなら、そういった長時間駆動モデルを選ぶといいだろう。なお、USB Type-CのUSB Power Deliveryに対応したモデルを選べば、モバイルバッテリーなどからの充電もできる。
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2. 外出需要に対応できる1kg以下の軽量ノートに再注目!
2023年春はコロナ以前の生活が戻ってきたことによって、再び軽快に持ち歩くことができるアンダー1kgの軽量ノートPCに注目が集まっている。ここでは注目のモデル、富士通クライアントコンピューティングの「LIFEBOOK UH-X/H1」を紹介していこう。
「UH-X/H1」は14.0型(16:10)ディスプレイを搭載したノートPC。本体質量はわずか689gと非常に軽量だ。CPUにはインテル第13世代CoreのCore i7-1355U プロセッサーを搭載。16GBのメモリーと512GBのSSDを搭載している。
「LIFEBOOK UH-X/H1」
第13世代Core i7-1355Uプロセッサー、16GBメモリー、512GB SSD、14.0インチ(1920×1200)液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間最大11時間、約689g
さらに、圧倒的な軽さに加えて、高い堅牢性も確保。落下や衝撃、満員電車などの圧力にも耐えられる仕様となっているのも安心だ。Webカメラには物理的にカメラを隠せるプライバシーカメラシャッターを装備しており、間違えてカメラに映るといった心配がない。電源ボタンには指紋センサーを搭載しているため、外出先での利用時にもセキュリティが確保できる仕組みだ。
実際に本体質量を計測してみたが、公表値よりも軽かった
ステレオBOXスピーカーとノイズキャンセリング機能のついたマイクを搭載しているのでリモート会議にも対応。「AIノイズキャンセリング」機能が環境音などを抑制してくれる。
実際に「UH-X/H1」を試してみたが、その軽さにはあらためて驚かされた。カバンに収納してみても、本当に入っているか心配になるような軽さだった。さらにノートPCながら拡張性が高いのもポイント。USBメモリーが挿せるUSB Type-A端子や、プレゼンテーションに欠かせないHDMI端子も装備。LAN端子も備えているのでWi-Fiが使えない環境でも安心だ。
2基のUSB Type-C端子に加えてType-A端子も搭載。反対側にはType-A端子、HDMI端子、LAN端子、microSDカードスロットも備える
アスペクト比16:10になったディスプレイは、普通よりわずかではあるが縦により多くの情報が表示できるのも快適だった。ビジネスアプリやクラウドの利用なら性能面でも全く問題はない。毎日持ち歩くために軽量モデルを選びたいならベストチョイスといえるだろう。
毎日使うキーボードの感触も重要。キーピッチやキーストローク、そしてキー配置などが好みになっているか確かめておきたい
なお、軽さよりもパフォーマンスやバッテリー性能を重視したい場合は、同じUHシリーズの「LIFEBOOK UH90/H1 FMVU90H1B」を選ぶといい。28W駆動と、より高性能のCPUを採用しており、これでバッテリー駆動時間は約29.5時間と非常に長い。本体質量は約848gと約139g重いが、体感的にはさほど変わりはない。
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3. その他のアンダー1kgノートPCも紹介
続いて富士通以外からと登場しているアンダー1kgの注目ノートPCを紹介しよう。どのモデルも軽さに加えて注目の機能を搭載しており、使い方によってはそちらのモデルの方がベストチョイスになる可能性がある。
有機ELディスプレイ搭載のLGエレクトロニクス「LG gram Style 14Z90RS-KA74J」
シリーズで初めて14.0型の有機ELディスプレイを搭載したモバイル向けノートPC。有機ELディスプレイはDCI-P3 100%(標準値)の広い色域をカバーしており、さらに応答時間0.2ms、90Hzの高リフレッシュレートで動画などを滑らかに映し出せる。米国国防総省「MIL-STD-810H」準拠のテストを7項目クリアする高い耐久性能を備えているのもポイントだ。
「LG gram Style 14Z90RS-KA74J」
第13世代Core i7-1360Pプロセッサー、16GBメモリー、512GB SSD、14.0インチ(2880×1800)有機ELディスプレイ、バッテリー駆動時間最大17時間、約999g
新しい軽量モバイルのスタンダード機、ダイナブック「dynabook R8/V P1R8WPBL」
28W動作でパワフルな第13世代Core i7-1360Pプロセッサーを採用するパフォーマンスモデル。オフィスソフトはもちろんのこと、負荷の高い動画編集などにも対応できる。アンダー1kgながら、20時間を超えるバッテリー駆動にも対応。マグネシウム製のボディーを採用しており、MIL規格準拠の耐久テストもクリア。AIによってリモート会議の品質を向上できる、「AIノイズキャンセラー」や「AIカメラエフェクター」などの機能も用意している。
「dynabook R8/V P1R8WPBL」
第13世代Core i7-1360Pプロセッサー、16GBメモリー、512GB SSD、14.0インチ(1920×1200)液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間最大20.5時間、約940g
LTE/3Gによる高速データ通信対応のNEC「LAVIE NEXTREME Carbon XC950/FAG」
SIMフリーのnanoSIMカードスロットを内蔵しており、データ通信用のSIMを装着することにより、場所を選ぶことなくどこでもLTE/3Gでのデータ通信が可能となるモデル。CPUは第12世代のU(超低消費電力)プロセッサーなので、最新のパフォーマンスモデルと比べると性能面では一段落ちるが、SIM内蔵による使い勝手の良さは秀逸。電源を入れてすぐにネットにつながる常時接続環境を重視したいなら選択肢になる。
「LAVIE NEXTREME Carbon XC950/FAG」
第12世代Core i7-1255Uプロセッサー、16GBメモリー、512GB SSD、14.0インチ(1920×1200)液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間最大24時間、約935g
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4. 1台ですべてをかなえるハイパワータブレットやコンバーティブルなどの個性派モデルも選択肢
ノートPCを屋外に持ち出す機会が頻繁でない場合や、軽さ以外に重視したいポイントがあるなら、アンダー1kgの軽量モデルを選ぶ必要はない。また、コストパフォーマンスを重視する場合も、重量に強くこだわらなければ、お得にノートPCが購入できるのだ。ここでは軽さ以外におすすめポイントがある最新ノートPCを紹介していこう。
低価格で新しいスタンダードを提案するVAIO「VAIO F14 VJF14190511N」
これまでハイエンド向けのプレミアムノートを展開してきたVAIOによるスタンダードなモバイル向けノートPC。14.0型ワイド液晶ディスプレイを搭載し、本体質量は約1.34kgとなっている。10万円台で購入できる高コスパモデルながら、顔認証カメラや指紋認証機能、AIノイズキャンセリング機能など、トレンド機能を抑えている。ボディーカラーはネイビーブルー、サテンゴールド、ウォームホワイトの3色を展開している。
「VAIO F14 VJF14190511N」
第13世代Core i5-1334Uプロセッサー、16GBメモリー、256GB SSD、14.0インチ(1920×1200)液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間約16時間、約1.58g
タッチ操作ができる2in1、デル・テクノロジーズ「Inspiron 14 2-in-1」
360°ヒンジを採用しており、ディスプレイを回転してノートPC、テント、スタンド、タブレットの四つのモードで使えるモデル。最新の第13世代 Core i7-1335Uプロセッサーを搭載しており、パフォーマンスは十分。上位モデルが10万円台ながら1TBのSSDを搭載するのも魅力だ。1時間で最大80%の充電できる「ExpressCharge」機能も搭載する。
「Inspiron 14 2-in-1」
第13世代Core i7-1335Uプロセッサー、16GBメモリー、1TB SSD、14.0インチ(1920×1200)液晶ディスプレイ、4セル バッテリー54Wh、約1.34gT
ハイパワーGPU搭載のゲーミングタブレット「ROG Flow Z13 (2023) GZ301VV-I9R4060」
Core i9-13900HとGeForce RTX 4060 Laptop GPUなど、ハイエンド仕様を搭載したタブレットPC。本体質量は1.2kg(キーボード別・約350g)でデスクトップ並みのハイパワーを持ち歩くことができる。13.4型(2560×1600ドット)のタッチ液晶ディスプレイを採用しており、背面にキックスタンドを装備。カテゴリーとしては「ゲーミングPC」だが、動画編集やVR、RAW画像の現像など、クリエイティブ寄りのビジネスユースで大活躍できる。
「ROG Flow Z13 (2023) GZ301VV-I9R4060」
第13世代Core i9-13900Hプロセッサー、16GBメモリー、1TB SSD、13.4インチ(2560×1600)液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間約16時間、約1.34g
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