1. 最新の電源事情について知ろう
最初にパソコンやスマホデジタルガジェットの最新電源事情について解説しよう。現在、新製品の多くが対応しているのがUSB Type-Cによる高速充電機能だ。これはUSB Power Delivery(略称USB PD)という規格で、USB-IFという業界団体が策定したもの。USB充電器やモバイルバッテリーから規格上、最大240Wで電力の供給ができる。
最新機器の多くはこのUSB PDを使って充電ができる。このため、USB PDに対応した充電器やモバイルバッテリーを用意しておけば、パソコンやiPhone以外のスマートフォン、デジタルガジェットなどの充電ができる。USB PDに対応した製品でそろえてあれば、一昔前のようにそれぞれのために充電アダプターやケーブルを持ち歩く必要がないのだ。
USB PDで充電するために重要なのが対応している出力だ。USB PDの出力は15Wから240Wまで規格があるが、多いのは25~65Wぐらい。製品の大きさや価格などで対応出力が決まってくる。
消費電力の大きなノートパソコンなどに電力を供給するためには、多くの場合65W以上の出力に対応している必要がある。これ以下だと消費電力のほうが高いので、使いながらの充電はできない。また、60W以上で充電する場合、5A(最大100W)対応のUSBケーブルが必要だ。
最新のUSB充電器の多くは複数の端子を搭載していることが多く、同時充電ができる。この場合、最大出力を分け合うことになる。例えばノートパソコンだけだと65Wでフルに給電できても、スマートフォンもつなぐと、約30Wずつになるため、ノートパソコンには足りなくなるのだ。このためできるだけ出力(W)が大きな製品を選ぶのがポイントだ。
USB Type-C端子2基とUSB Type-A端子を搭載するUSB AC充電器。最大出力を分け合って同時充電ができる
なお、ちょっと古いデジタルガジェットなどには、今でもコンセント側がUSB Type-A端子だったり、本体側がmicroUSB端子だったりする場合がある。その場合、専用のケーブルが必要だ。
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2. おすすめUSB ACアダプター&電源タップ
まずはオフィスや自宅での利用におすすめのUSB AC充電器と電源タップについて紹介しよう。複数の機器を同時に充電することを考え携帯性は意識せず、できるだけハイパワーな製品を選ぶのがおすすめだ。
例えばアンカー・ジャパンの「Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)」はUSB Type-C端子三つ、USB Type -A端子一つを搭載し、合計最大150Wで出力できるUSB 充電器だ。独自の充電技術GaNPrimeに対応しており、急速同時充電ができる。
例えばノートパソコンとスマートフォン2台、さらにUSB Type-A接続のガジェットを1台同時に充電可能。しかも、USB Type -C端子一つの最大出力は100Wなので、消費電力の高いノートパソコンでも充電できる。
Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)。合計最大150W出力に対応したハイパワーのUSB充電器
近年はACタップにもUSB端子を搭載する製品が増えている。この場合、いちいちACタップにUSB 充電器を挿す必要がなく、電源周りがごちゃごちゃしないのがメリット。ただし、USB Type-C端子を装備したACタップはまだ少なく、USB Type-A端子が主流。デジタルガジェットの充電には重宝するはずだ。
ファーゴ CT221。ACコンセント4基とUSB Type -A端子を2基搭載。10色から選べる
「ファーゴ SATI COLOR 電源タップ AC4個口+USB2ポート CT221」(オフィス用品の通販サイト「たのめーる」が開きます)
仕事スペースのすぐ近くに電源がない場合、延長コンセントを使うことになる。最大1500W以上の電源が流れる延長コンセントは使い方やメンテナンスを誤ると発熱や発火のリスクもある。そういったトラブルを回避するためにも、できるだけ信頼のおける製品を選びたい。水しぶきやホコリの侵入をガードする機能などがあると安心だ。また、一括スイッチがあれば電気代の節約もできる。
一時的な水しぶき・ホコリの侵入をガードする「防水扉」、「一括防水スイッチ」付のACタップ「ザ・タップX」シリーズ
「パナソニック ザ・タップX 一括スイッチ付 2P・4個口 ホワイト 3.0m WHA25342WKP 1個」(オフィス用品の通販サイト「たのめーる」が開きます)
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4. モバイルバッテリーの選び方
出先での充電切れなどに対応するに欠かせないのがモバイルバッテリーだ。スマートフォンで動画を見たり、音楽を聴いたりしているとバッテリーの減りも早い。すぐにオフィスなどに戻って充電できない場合、モバイルバッテリーが便利だ。
さらにUSB Power Deliveryの登場により、スマートフォンだけでなく、パソコンを始めとした多くの製品がモバイルバッテリーで充電できるようになった。このため、モバイルバッテリーを選ぶときは充電したい製品のバッテリー容量や、充電する機会をチェックして選ぶ必要がある。
例えばスマートフォン一台を緊急時に充電したいだけならモバイルバッテリーの容量は5000mAhもあれば十分。最新のiPhone14のバッテリー容量が約3300mAhなので、充電ロスを差し引いても、もう一度100%まで充電できる計算になる。10,000mAhなら、2~3回完全に充電できるというわけだ。
なお、USB充電器と同じく、モバイルバッテリーからノートパソコンなど消費電力の大きな機器を充電する場合、出力も重要になる。65W出力に対応したモバイルバッテリーなら多くのノートパソコンの充電が可能だ。
オウルテック MOTTERU モバイルバッテリー。20,000mAhの大容量ながら350gと非常に軽量なモバイルバッテリー。USB Type-C端子45W、A端子15Wで、合計最大60Wの出力ができる
「オウルテック MOTTERU モバイルバッテリー 20000mAh MOT-MB20001」(オフィス用品の通販サイト「たのめーる」が開きます)
チーロ 大容量モバイルバッテリー。持ち歩き用ではなく、自宅内やオフィス内などで電源が取れない場所で使える大型バッテリー。50,000mAhを搭載しており、45W出力のUSB Type-C端子も搭載する
参照:「チーロ 大容量モバイルバッテリー Power Mountain 50000mAh ブラック CHE-086-BK」
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5. その他の電源関連のサービスも便利
パソコンやスマートフォンなどを充電するためのUSB充電器とモバイルバッテリーについて解説してきた。高性能のパソコンやスマートフォンを用意してもバッテリーが切れてしまっては使い物にならない。だからこそ、電源関連はしっかりと注意しておきたい。
なお、上記で紹介したようなUSB充電器やモバイルバッテリーが手元にない状態でバッテリーが少なくなってしまった場合、コンビニなどでモバイルバッテリーが借りられるサービスを利用する方法もある。
【主なレンタルバッテリーサービス】
ChargeSPOT
→日本設置数シェアNo.1モバイルバッテリーシェアリングサービス
充レン
→充電されたスマホ用のモバイルバッテリーをレンタルするサービス
ただし、これらは決済のためにスマホアプリを利用するため、完全にオフになってしまうと使えないので注意が必要だ。容量、出力ともに小さいのでスマートフォンの緊急充電用でノートパソコンの充電には向かない点に注意しよう。
電源関連グッズをしっかり用意し、さらに状況によってはレンタルサービスなどが利用できるようにしておくことで、バッテリー切れの心配がなくなる。ビジネスにおいて重要なノートパソコンやスマートフォンが常に使えるような体制がとれるというわけだ。
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