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2021年 8月30日公開
【連載終了】読んで役立つ記事・コラム
【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
執筆:マネジメントリーダーWEB編集部
社員の専門知識や技能の習得に役立つ助成金をご紹介。企業が成長するためには、従業員のスキルアップが欠かせません。しかし、研修には費用がかかります。そうしたジレンマを解決する一手として、助成金を活用した人材育成・開発を検討してみてはいかがでしょうか。
目次
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「人材開発支援助成金」は、社員を段階的に育成する能力開発を効果的に促進するための制度です。業務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための教育訓練などを計画して実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の給与の一部が助成されます。「人材開発支援助成金」のうち、多くの企業が利用できるコースとその対象や要件をピックアップしました。
労働生産性向上を目的とした訓練、若手社員を対象とした訓練、OJTとOff-JTを組み合わせた訓練など効果が高い訓練について助成金が支給されます。
対象の教育訓練は以下のとおりです。
特定訓練コース以外の訓練を企業もしくは企業が所属する業界団体が実施する場合に助成されます。Off-JTで実施され、実施時間が20時間以上、セルフ・キャリアドック(注2)を規定している必要があります。
教育訓練を受けるために必要な有給休暇を与え、社員の能力向上に資することを促進する制度です。以下の項目を満たしていることが条件となります。
人材開発支援助成金の受給対象となるのは企業の事業主となりますが、助成コースによって対象となる企業・団体が異なります。
支給対象事業主は、雇用保険適用事業所の事業主でなければなりません。また、職業能力開発推進者の選任や訓練計画の提出などコース条件が規定されているので、申請前に詳細をご確認ください。同様に、支給対象となる労働者の条件も、訓練期間中に申請事業主に雇用される雇用保険被保険者(有期契約労働者、短時間労働者および派遣労働者を除く)であることを前提に、コースごとに詳細が規定されています。
[「特定訓練コース」および「一般訓練コース」の主な注意事項]
特定訓練コースのうち、以下の場合については、経費助成の助成率が次の表のとおりとなります。
[「教育訓練休暇付与コース」の主な注意事項]
1. 賃金助成限度額(1人1訓練当たり)
2. 経費助成限度額(1人当たり)
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長期教育訓練休暇制度は、事業主以外が行う教育訓練等を受けるために必要な有給・無給の長期にわたる休暇(労働基準法39条の規定による年次有給休暇を除きます)を被保険者(*)に与え、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発および向上を促進する制度です。
長期教育訓練休暇制度においては、休暇取得開始日より1年の間に、所定労働日において30日以上の教育訓練休暇の取得が必要となります。これには以下のようなルールがあるのでご注意ください。
<補足>
【参考】長期教育訓練休暇を取得する場合の具体例
人材開発支援助成金の申請に当たっては、さまざまな要件をクリアする必要があります。主な要件2点をご案内します。
社内で社員の能力開発を推進するキーパーソンが「職業能力開発推進者」です。会社の職業能力開発計画の作成や能力開発について社員への相談・指導を行います。推進者は事業所ごとに1名以上選任しなければなりません。ただし100人以下の事業所で適任者がいない場合などは、本社の推進者が兼務することが可能です。また、推進者は能力開発の企画や研修・訓練の実施について権限を有する方が対象となります(研修担当課長、人事・総務担当課長など)。
人材開発支援助成金の申請には、職業能力開発促進法第11条により事業主が作成した人材育成方針を記載した計画書が必要です。また計画書の作成だけでなく、全社員への周知も必要となります。
計画書に記載する主な項目は、以下のとおりです。
事業所内職業能力開発計画は、労働組合(社員の代表)の意見を聞いて作成しなければなりません。
申請の基本となる、職業能力開発推進者の選任や事業内職業能力開発計画の作成については、各都道府県労働局にて相談や支援を行っているので、初めて申請する際は事前に相談してみてください。
特定訓練コース、一般訓練コースでは、助成金の対象となる社員や教育訓練内容について支給条件があります。
支給対象となる社員は、訓練実施計画に記載されていて、研修・訓練期間中に被保険者である必要があります。また、受講時間数が実訓練時間総数の8割以上であることが必要です。
(1)社内研修・訓練対象となる研修・訓練に直接関係する職業訓練指導員免許や技能検定合格者、実務経験10年以上のベテラン社員が講師・指導員となっていることが求められます。また社内講師の場合は、研修・訓練実施日の出退勤状況を確認できる方に限ります。
(2)社外研修・訓練社外の組織や施設で研修・訓練を受講する場合は、公共の職業能力開発施設のほかに、助成金の支給を受ける事業主以外の事業者・団体が設置・運営する施設、大学や教育水準を満たした各種学校などが対象となります。学びたい職業についての知識・技能・技術が習得でき、スキル向上に役立つ教育訓練を行うことが、客観的に証明できる施設・団体を利用することがポイントです。
<助成金の対象とならない教育訓練とは>
業務に直接関連しない内容のものは助成の対象となりませんのでご注意ください。例えば、マナーや話し方講習の場合、基礎的なものは担当業務の種類を問わず社会人として共通して必要な講習となるため、助成されません。外国語会話も日常会話レベルの講習は対象外です。また、法令で講習の実施が義務付けられていて、会社としてもその講習を受講しなければ業務が遂行できない場合も原則対象外です(建設業、社会福祉・介護の技能講習は除く)。
このほかにも助成の対象とならない教育訓練は詳細に規定されていますので、申請を検討する際は、助成対象の詳細を所轄の労働局・ハローワークにお問い合わせください。
特定訓練コース、一般訓練コースでは、研修などの教育訓練を行う場合、助成対象となる経費内訳について条件があります。主な条件は以下のとおりです。
(1)自社で企画し主催する場合
(2)外部主催の場合受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代等、あらかじめ受講案内等で定めている費用が対象となります。国や都道府県から補助金を受けている施設が行う訓練の受講料や受講生の旅費等は対象外となりますのでご注意ください。
(3)海外で実施する場合海外の大学、大学院、教育訓練施設等での訓練に際して、必要となる入学料・受講料・教科書代(あらかじめ受講案内等で定められているものに限ります)、住居費(注1)、宿泊費、交通費(注2)。なお、海外の大学、大学院、教育訓練施設等が主催する訓練のみを対象とし、日本の訓練機関が単に海外で施設を借りて実施するものは原則対象外となります。
人材開発支援助成金の活用は、企業の人材育成コストを軽減し従業員のスキルアップを実現するための有効な手段となります。また、これまでは現在の業務に直接関連する訓練のみが助成の対象となっていましたが、令和3年2月の改正で、企業が新たな分野に進出する計画がある場合、事業転換後に従事する予定の業務に直接関連する訓練も対象となりました。これにより、経営計画に沿った人材の開発・育成が行いやすくなりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、訓練などのスケジュールや内容に変化が生じた場合の措置もありますので、厚生労働省のホームページで最新情報や詳細をご確認ください。
人材開発支援助成金の申請条件など詳細については、厚生労働省が発行している「人材開発支援助成金のご案内」をご参照ください。
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