2021年 9月15日公開

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動画で社内コミュニケーション活性化

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

メール・Web・動画の組み合わせで社内コミュニケーションを活性化。
動画配信を職業とするユーチューバーもすっかり知られる存在になった今、企業の情報発信メディアとして、社員が制作した動画を利用するケースが増えています。そこで今回は、企業内で動画を活用する方法をご紹介します。

1. 社内コミュニケーションメディアの動画利用とは

企業での動画利用は、会社案内や製品紹介など、主に社外の一般を対象とした広告・宣伝要素の大きいものが多く、制作も難しいため、外部の映像会社に委託することがほとんどでした。しかし、最近はYouTuber(ユーチューバー)が話題となっているように、手軽に動画で情報発信をすることが当たり前になりつつあります。スマートフォン1台あれば、撮影・編集して世界に向けて情報発信できるのです。

ただし、動画はあくまでファイル(データ)ですので、WebやSNSなどのメディアと組み合わせて利用することになります。社内のコミュニケーションメディアとして代表的なものは印刷した社内報ですが、最近ではWeb社内報や社内サイネージを利用するケースも増えています。また、コロナ禍で急速に浸透したテレワークにより、Webミーティングが日常的に行われるようになりました。こうしたデジタルコミュニケーションメディアを利用する際に、表情や雰囲気を分かりやすく伝えることができる動画コンテンツを活用すれば、在宅勤務などオフィスから離れた場所で勤務する社員や入社内定者などに効果的に情報発信することができます。
ここでは、動画コンテンツの配信に適したメディアと実際の制作についてご紹介します。

主な社内コミュニケーションメディアと特性

動画コンテンツは、配信だけでなく研修や展示の資料映像としての活用方法がありますが、今回は社内コミュニケーションの活性化ツールとしての利用を前提に解説していきます。動画コンテンツの配信メディアには下記のようなものがあります。

メール

一般的に企業で利用されている情報伝達手段です。通常、テキスト以外のデータは添付して送付します。しかし、動画のデータは画質が良いほど大容量となるため添付ファイルとして扱うことは困難です。動画を添付するのであれば、ネットワークやパソコンの負荷を考え、できるだけ容量を圧縮して低解像度のデータにしましょう。動画の送付は、ダウンロードサイトを利用しダウンロード用のURLを送るのが一般的ですが、大容量の映像データを丸ごと送付する形になりますので、送付対象者や用途を限定した方がよいでしょう。

Web

メールで紹介すると文章量が多くなる内容の場合は、Webを利用してテキスト+イラスト・写真で分かりやすく紹介します。申し込みや資料のダウンロード、関連するサイトへのリンクなど多様に利用できます。動画もさまざまな形態で配信することが可能です。ただし、Webサイトが動画の配信に対応していない場合や、対応していてもSNSとの組み合わせとなる場合がありますので、事前に動画配信の可否や仕様を確認する必要があります。

サイネージ

サイネージとは看板やポスターという意味で使われる言葉です。駅や繁華街では屋外広告としてデジタルサイネージをよく目にしますが、社内サイネージの場合は社内情報の掲示板として利用されています。デジタルのメリットは瞬時に表示内容の書き換えが可能なことです。サイネージを目にするタイミングは人によって異なりますので、短くまとめた情報を繰り返しループ表示する形になります。また、注目を集めるためにインパクトのあるデザインにすることや見せ方、演出の工夫も欠かせません。

SNS

SNSは一般の情報伝達ツールとして広く利用されています。手軽に利用できて便利ですが、情報漏えいや炎上などのリスクも高いため、企業での利用は限定されていました。しかし、最近は企業向けのサービスを行うSNSや社内の利用に特化した「社内SNS」を提供するサービスもあり、利用する企業も増えています。YouTubeやInstagramを見れば一目瞭然ですが、簡単に動画配信を行えて手軽に視聴できるメディアとなっています。

最初に動画を配信するメディアを決める

動画の制作を行う前に、どのようなメディアで配信するかを決めておくと配信方法に合った効果的な動画を制作できます。また、メディアによっては、動画作品の秒数やファイル形式などに制限がある場合もありますので、事前に条件や仕様を確認しておきましょう。社内コミュニケーションの活性化を図る目的であれば、一番簡単なのは社内SNSへの動画投稿です。動画コンテンツの制作と併せて社内SNSの整備と利用(視聴)促進、投稿ルールの設定を行いましょう。

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2. 動画コンテンツ制作の流れとポイント

それでは、動画コンテンツの制作方法をご紹介します。大まかな制作の流れは以下のとおりです。

動画の特性は、時間の経過とともに情報が遷移することです。つまり、本でいえば、読む人の都合を無視して一方的にページがめくられていくことになります。もちろん一時停止や巻き戻しもできますが、通常は再生ボタンをクリックしたらそのまま視聴します。動画は人物の表情や風景、テロップなどの文字情報、ナレーション、音楽というさまざまな要素がミックスされて流れてきます。そのため、伝える情報は極力整理して見せなければ「伝わらない映像」になってしまいます。最初の企画段階で、何を伝えたいのかを明確にしておきましょう。

社内動画制作のポイントと注意点

企画はシンプルに

伝えたいことはいろいろあっても、それを一つのコンテンツに詰め込み過ぎることは禁物です。一つ一つ整理して趣旨が伝わるコンテンツに仕上げましょう。

交渉は確実に

アポイントなしで社内報の取材に行ったら、いつもいるはずの担当者が出張していて不在だったということはよくある話です。事前に予定を確認して取材対象者に趣旨をきちんと説明し、理解してもらうことが大切です。取材日を決めることで二度手間を避けるだけでなく、取材対象者も事前に準備ができるので取材がスムーズにはかどります。プロの映像制作者でも「事前のアポ取りで作品の良しあしの8割が決まる」というほど、アポイントメントと取材交渉は重要です。できる限り取材しやすい環境を整えることを心掛けてください。

撮影は撮り忘れのないように

撮影でバタバタしていると予定していたものを撮り忘れることもあります。インタビューの場合は話に出てきた物を撮影しておくと分かりやすい映像になります(例えば、学生時代のエピソードを話しているときは学生時代の写真など)。撮影は画面が揺れないように三脚を使用するのが原則です。カメラを手持ちする場合は、なるべくブレないようにゆっくり呼吸して撮影してください。撮影したら、映像と音声がきちんと入っているかその場でチェックしましょう。撮り直しが必要な場合にその場ですぐに対応できます。

編集もシンプルに

最近はプロ並みの高度な編集ができるアプリも出てきていますが、基本はカット編集です。カット編集とは、文字通り必要のないシーンをカットしてつなげるだけの単純な編集です。伝えたいところだけをかいつまんで紹介しますので、趣旨が伝わりやすくなります。テロップ(文字)が光ったり、画面が回転したりする効果は、その効果の面白さだけが目立ってしまい、多用するとかえって逆効果になる場合もありますのでご注意ください。

確認

信頼ある社内メディアとして成立させるために、公開前の確認は慎重に行いましょう。特に出演者の了解を得ることは必須です。公開後にトラブルになることは避けましょう。また、上長の確認の要・不要など、ルールと手順をあらかじめ設定しておくことをおすすめします。

公開のお知らせは業務が一段落するタイミングを狙う

多くの人に視聴してもらうためには、公開のアナウンスが欠かせません。休憩時間前など視聴しやすいタイミングに社内メールで一斉に案内するなど工夫してみましょう。視聴した人の感想は次回制作の貴重な参考となりますので、なるべく多くの人の感想や意見を聞いてみましょう。最初は厳しいコメントが出ることもあると思います。しかし、それを改善していくことで狙いどおりのコンテンツを作ることができるようになるのです。恐れずにトライしてみましょう。

動画コンテンツの今後について

動画による情報は視覚・聴覚・言語によって伝えられます。一般的に視覚情報は文字情報の数千倍あるともいわれています。映像制作はテキストコンテンツに比べて処理が難しいため外部の制作会社にアウトソーシングするのが一般的でしたが、これからは社内で手軽な映像コンテンツを作り活用していく時代になります。特にテレワークなどでは、不足しがちな社内情報を動画で伝えることで、オンライン上での円滑なコミュニケーションが可能となります。

メディアは複数組み合わせることで伝達効果が高まります。目的や用途別に、印刷物・Web・動画などを「使い分け」もしくは「組み合わせ」て伝えることで、効果の高い情報共有が可能になります。自宅にいてもオフィスと同じ感覚で業務ができるツールとして、社内制作の動画コンテンツが発展していくのではないでしょうか。社内の動画制作のノウハウを蓄積していくことは、企業が持続し発展していくための有効な武器になるかもしれません。

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3. 動画の撮影・編集・共有を全てが行えるアプリ

Adobe Premiere Rush

パソコン、スマホ、タブレット。デバイスや場所を選ぶことなく動画を作れるオールインワンの動画編集アプリです。従来のアプリケーションに比べより直観的に操作ができ、動画編集の第一歩としておすすめです。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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