2022年 3月 9日公開

【連載終了】読んで役立つ記事・コラム

オンライン研修の効果を高める方法

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

多様な働き方に対応したオンライン研修の在り方を探る。
テレワークとともに急速に浸透するオンライン研修。手軽に実施できるため多くの企業が取り入れています。オンライン研修の効果をアップするための方法を解説します。

1. オンライン研修の役割とは

人材育成を行う研修には、対面で行う「集合型研修」と、Web会議ツールを利用して行う「オンライン研修」があります。オンライン研修はさらに、任意のタイミングで学習できるeラーニングのような「アーカイブ型」と、リアルタイムに行う「ライブ配信型」といった配信方法に分かれます。より効果の高い研修を行うためには、それぞれの研修形式の特長や効果を見定めて、それらを組み合わせて実施することがポイントとなります。

集合研修

言わずと知れた従来の研修形式です。対面で行う研修のメリットは受講者の反応を確認しながら行えるため、受講者の興味や理解度を把握しやすいというメリットがあります。特に実技を伴う講習に最適です。また、講師と受講者、受講者同士のコミュニケーション醸成にも大いに役立ちます。講義内容だけでなく仲間意識や一体感を養う効果は、オンライン研修では得にくいものです。その一方で、集合するためにかかる手間やコストが大きいため、頻繁に実施しにくいというデメリットもあります。

  • メリット

受講者の様子を把握できる
実技を伴う指導がしやすい
対面によるコミュニケーションが可能

  • デメリット

移動の時間・労力・コスト(交通費、宿泊費など)が発生する
講師・受講者のスケジュール調整や会場の確保に手間がかかる

オンライン研修

オンライン研修は、いわゆるeラーニングのように教材となる映像コンテンツをアーカイブ(蓄積)して、受講者が任意の時間と場所で視聴するアーカイブ型と、配信時間を設定してWeb会議と同じようにリアルタイムに行うライブ配信型に大別されますが、基本的な機能はどちらも同じです。テレワークが浸透するにつれて、企業研修は集合研修よりもオンライン研修がメインになりつつあります。特に新入社員研修は、入社前の事前研修からオンラインで行うことが主流となっています。

アーカイブ型

あらかじめ作成した教材(コンテンツ)を用意して、それを受講者の都合に合わせて視聴学習するものです。研修効果を高めるためには、受講者が興味を持って視聴でき、分かりやすいコンテンツを作成する必要があります。社会人として一般的に必要となる基礎的な研修項目については、eラーニングのコンテンツを配信している専門のサービスを利用することもできます。

  • メリット

いつでもどこでも、受講者の都合の良いときに自由に学習できる
分からないところなどは何度でも繰り返し学習が可能

  • デメリット

内容によっては学習効果の高い教材を作成するのが難しい場合がある
細かな実技の習得が困難

ライブ配信型

Web会議ツールを利用し開催時間とURLを指定して、講師や受講者がそれぞれの場所から参加しリアルタイムに研修を行います。対面の研修と同じように質疑応答も可能で、移動の手間もかからず手軽に実施できるため企業研修の主流となりつつあります。

  • メリット

移動の時間とコストが削減できる
チャット機能などでリアルタイムに質問・回答が可能

  • デメリット

Web会議用のツールが必要
受講者同士の交流が図りにくい

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2. 研修効果を高める工夫とは

研修は、オンラインと対面を組み合わせて実施することで、それぞれのメリットを有効活用しデメリットを補完できます。研修プログラムの設定に当たっては、導入研修のような基礎研修と配属後に行われるOJT研修がリンクするように長期的な視点で構築するようにしましょう。場当たり的な研修では内容が偏る可能性が高くなり、人材流出を招くようなリスクも発生しますので注意が必要です。

研修プログラムの設定(例:導入研修の場合)

オンラインでの研修を中心に、最初の研修開始時と最後の終了時に対面で顔を合わせ、スキルアップとともにコミュニケーション醸成を行います。各過程で理解度を確認するためのミニテストやアンケートを実施し、問題がある場合は個別に指導を行います(オンラインもしくは対面)。

事前の準備

オンライン研修は事前の準備が大切です。特に使用するPCや周辺機器にトラブルが発生すると研修そのものが実施できなくなりますので、十分に注意してください。

  • オンライン研修マニュアルの作成

利用するWebツール(Microsoft TeamsやzoomなどのWeb会議ソフト)やPC、カメラ、マイク、回線などの使用機器や環境設定、トラブルシューティングを定めてマニュアル化します。

  • 教材の作成

テキスト(レジュメ)を用意すると講義の分かりやすさがアップし、実際の業務でも役立ちます。講義の際は、講義内容に合わせてテキストを画面に映し出せるようにします。

  • テスト・課題の設定

習熟度を確認するために、講義終了後にオンラインテストを実施しましょう。また、グループワークのテーマや展開・指導・評価の方法もあらかじめ定めてマニュアル化します。受講者別に評価の詳細をカルテ化することで、指導の資料として活用します。研修が終了したら講師・受講者それぞれの感想・評価を受け、改善点を洗い出し、研修プログラムの点検・改善を行います。

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3. オンライン研修の今後

時間と場所に左右されないオンライン研修は、今後の人材育成研修の主流となると思われます。勤務場所や担当業務にかかわらず、教育機会を均等に与えることで企業全体のスキルアップが可能となるからです。有能な人材を育成することは、企業が生き延びて発展する大きな要素を果たします。多様な働き方が浸透すると、多様な人材育成が必要となります。社員の基礎的なスキルを向上させ、自立自走を促すことで社員個々が大きく伸び、会社が発展する大きな力となるでしょう。
人的資源を豊かにするために、人材育成のノウハウを蓄積し効果の高いオンライン研修を実施しましょう。

参考

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4. 最大1万人が参加できるコミュニケーションツール

Microsoft Teams

Microsoft Teamsはコミュニケーションツールで、チームや個人間でのチャット、音声通話、ビデオ会議、ファイルやWebページなどの共有が可能です。また、オンライン上でセミナーや集会を開催することができ、最大1万人がパソコンやスマートフォンを使って参加できます。ビジネス研修や社長から全社員に向けてのあいさつなど、活用方法はさまざまです。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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