2022年 3月 7日公開

【連載終了】読んで役立つ記事・コラム

多様な働き方とオフィスの機能

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

働き方が多様化するとともにオフィスの機能や役割も変化。
テレワークの浸透などでオフィスの縮小や、郊外への移転などの事例が相次いでいます。雇用形態が多様化しつつある現在、オフィスに求められる機能を見直してみましょう。

1. オフィスに求められる機能と役割

これまでのオフィスは業務を行うための場所でした。業務遂行に必要な情報はオフィスに集約され、そこで判断と指示が下され、業務と管理が行われていました。業務は部署単位で行われ、オフィスの配置も部署単位で区切られています。部署単位でまとめて配置することによって、指示・管理が迅速に行われ進捗(しんちょく)管理もしやすくなるからです。さらに、部署内でやりとりされる会話や行動から間接的に情報を得ることができるというメリットもありました。

しかし、PCやネットワークなどのIT技術が進化し、業務のインフラとなるにつれてオフィスに求められる役割と機能が大きく変化しています。特にテレワークなど、オフィスの外で仕事を行うことが当たり前になっている現在では、オフィスはワークスペースという従来の機能だけでなく、多様な働き方に対応した新たな役割が必要となっているのです。

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2. これからのオフィスに必要な機能とは

オフィスは、業務効率と従業員満足度を向上させるものでなくてはならず、オフィスの役割が変わってもこの点は従来と変わることはありません。業務効率向上については、IT技術をどのように導入して活用していくのかが大きなポイントとなりますが、IT技術の活用はオフィス内で完結するものではないでしょう。むしろ、伝票や帳票の電子化など、オフィスに依存しない運用体制を構築することが求められます。これからのオフィスに求められる機能は、ネットワーク環境では得ることが難しい、業務をサポートするスペースとなることです。

コミュニケーション機能

例えば、社員全員が出社して仕事をする環境では、前述したように近隣の社員の会話や電話のやりとりで耳にする何気ない情報が、部署全体の雰囲気を察知するのに役立つこともあります。複数人でのコラボレーション(共同作業)で業務を進行する場合、円滑なコミュニケーションを取ることが業務効率向上に欠かせない要素となります。特に新規のプロジェクトを新しいメンバーで行う場合は、開始・中間報告・納品といった大きな節目には全員で顔を合わせてミーティングを行うなど、必要に応じてオフィスに集まることが効果的です。言葉にしにくい初歩的な悩みや不安を解決することで大きなトラブルを未然に防ぐことにもつながります。これからは、業務を遂行する場としてのオフィス機能だけでなくコミュニケーションを推進する場としてのオフィス機能が求められるのではないでしょうか。

業務サポート機能

社外で仕事をする場合に注意しなければならないのが情報漏えいリスクです。メールでやりとりする情報の場合はVPNを利用するなどハード/ソフトのセキュリティを強化することで対策できますが、電話やオンライン会議などの音声などは、他人や家族に容易に聞かれてしまう可能性があります。また、顧客情報や採用情報を扱う業務も社外では注意を要します。このような業務を安心して行えるように、防音効果の高い会議室やオンライン会議用の個別ブースの設置、関係者以外が立ち入れない作業スペースの確保など、これからのオフィスには、社外で行うには不安のある業務をサポートする機能が求められます。

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3. マグネット機能を持つオフィスの提案

では、具体的にどのようなオフィスを構築することが求められるのでしょうか。働き方の多様化は、テレワークなどの勤務形態だけでなく、正規・非正規などの雇用形態も含まれます。全てを社員で完結するのではなく、フリーランスで働く専門家に業務委託するケースも増えていく可能性があります。このような状況を踏まえて、これからのオフィスを検討すると以下のような流れになります。

常勤者が減少すると、オフィスに必要とされるスペースも少なくて済みます。多くの場合は、席をフリーアドレス(自由席)として、全社員の数割程度の座席数とします。そうすることで生まれた余剰スペースを返却することで、賃貸オフィスの場合は直接的なコスト削減を行うことができます。自社ビルなどの場合や賃貸でもスペースの分割が困難な場合は、余剰スペースの有効活用を検討してはいかがでしょうか。業態や会社の状況によって余剰スペースの活用用途は異なりますが、近年注目を集めている「マグネット効果」の高いスペース活用をおすすめします。

マグネット効果の高いスペースとは

マグネット効果とは、磁石で吸い寄せられるように人を引き寄せる効果を意味します。会議やミーティングのように時間と場所を指定して集まるのではなく、カフェに立ち寄るように自然に人が集まることです。この効果を高めるために、スペースの中心に熱帯魚を観賞できる水槽を設置したり、卓球やビリヤードなどの軽く遊べる器具を置いたりする演出を施す企業が増えています。気分転換などで集まったスタッフが会話をすることで、コミュニケーションが生まれることを想定して作られたスペースです。
スペースを検討する際は、飲食のサービスや企業風土・カラーの表現なども考慮しましょう。仕事内容が異なり、雇用形態もさまざまな人々が集まるスペースを用意することは、企業イメージとES(従業員満足度)を高める効果が期待できます。

シェアオフィス・サテライトオフィスの設置

余剰スペースを有効活用するもう一つの方法として、シェアオフィス・サテライトオフィスとしての貸し出しがあります。事業として収益の確保を目指すことも可能ですし、関係するスタッフ・協力会社に貸し出して連携強化を図ることもできます。シェアオフィスやサテライトオフィスとして、デスクや貸し会議室を設置し、プリントアウト、コピー、電話取り次ぎ、Wi-Fiサービスを行うことは、これまでの自社施設管理や運用の延長上でできます。また、少ない設備改修費用負担で実行可能です。
関係するスタッフ・協力会社に限定してスペース提供する場合は、委託する業務の進行管理がスムーズになる効果が期待できます。また、前述したマグネット効果の高い休憩スペースを社員と共用することで、コミュニケーションの機会を拡大することにもつながります。

ニューノーマル時代のオフィスはハード&ソフト一体で検討

働き方の変化は、オフィスの在り方にも直結します。オフィス以外で業務を行うためにオフィスに求められる機能と役割を自社の企業風土や業態に合わせて見直してみましょう。オフィスという企業の器(うつわ)とITインフラに対応した業務システムが一体となって、業務効率が向上します。従業員・スタッフが出社したくなるような魅力あるオフィスの構築を目指して、多角的な視点で検討することをおすすめします。

参考

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4. 最適なコスト・手段で社内コミュニケーションを実現

ユニファイドコミュニケーション

連絡の無駄を減らす「ユニファイドコミュニケーション」は、多様化するコミュニケーション手段において、連絡先情報のデータをベースとして統合し、状況に応じて最適な手段を選択したり、複合して利用したりできるシステムです。そのため、会社のデスクにいることを必須条件として仕事をする必要がなくなり、「固定座席の廃止(フリーアドレス)」「在宅勤務」「直行直帰型」など、仕事をする場所の自由度が広がります。新しいワークスタイルの実現やBCP対策にも役立ちます。

ユニファイドコミュニケーション(UC)

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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