2021年 3月 1日公開

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デジタル時代のオフィス模様替え

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

オフィス環境を根本から見直し、新しい風土を構築する。
毎年3月になると、新年度に向けてオフィスの大掃除やレイアウト変更を行う企業が多くなります。今年はビジネスのデジタル化を見据えたオフィス環境の整備を進めてみてはいかがでしょうか。

1. オフィス模様替えの基本とは

新年度が始まる4月は、新しい経営計画の下で組織変更や人事異動、新入社員の迎え入れがあり、忙しくなります。そのため前月の3月にオフィスの大掃除やレイアウト変更を行う企業が多いのではないでしょうか。ほとんどの企業では、総務部門が主導しオフィスの模様替えを行っているようです。

オフィス模様替えの一般的な手順

通常の模様替えは、新年度の経営計画とそれに伴う組織変更や人事異動などの人員計画に基づいて行います。各部門の管理者と相談しながら、部署ごとにデスクや複合機等の共用備品の配置などの基本プランを策定します。基本プランに沿った形で、必要な工事や什器(じゅうき)・備品の購入、不用品の廃棄など関連費用の見積りを依頼し、予算を立てます。あわせて作業スケジュールの調整も行います。

計画案を取りまとめたら、取締役会に提出します。取締役会での承認後、全社員に模様替えの概要と実施までの手順・スケジュールを周知します。

模様替えの当日は手配した設備類に不具合がないかを確認します。また、保管するものと廃棄するものの仕分けを行い、通常業務に極力影響が出ないようスムーズに進行しましょう。

オフィスの大掃除も効率よく進めよう

一昔前まで社員総出で窓ガラスを拭いたり、床のワックスがけをしたりするなど、オフィスの大掃除は年度末恒例の行事でした。しかし、現在では管理会社や外部の専門業者に委託している場合も多く、このような光景を見ることは少なくなっています。各社員がデスク周りを清掃して、照明やロッカーなどの共用備品・スペースの清掃(点検・交換を含む)や書類の分類整理・廃棄を行うのが基本的な作業になります。

廃棄物の廃棄方法や保存期間には注意

廃棄物の処理は、機密保持や違法投棄防止の観点から信頼できる処理業者に委託し、廃棄証明書を取得します。また、文書については法律で定められた保存期間に従い整理・保存します。その際、注意したいことは保存年限です。書類の保存期間は事業年度で管理する場合と暦年で管理する場合があります。事業年度を保存期間としている書類で1月以降に決算を行う企業の場合は、保存年月に達していても年度末にならないと廃棄できません。

例えば、3月決算の企業で保存期間が3年の書類を10月31日に作成した場合、廃棄日は3年後の10月31日ではなく翌年の決算月である3月末日となります。
帳簿書類の場合は、事業年度の確定申告提出期限の翌日からの起算となるため、年度終了日から2カ月後が保存期間の起算日となりますが、帳票や決算状況によって異なります。廃棄の際は税理士や公認会計士などの専門家にご確認ください。

このように、書類の種類によって保存期間が異なりますので、間違えて廃棄しないようにご注意ください。また、法令の改正により保存期間が変更になる場合もあります。
書類を保存する際は「○○年〇月処分」と明記し、同時期に廃棄する書類はまとめておき、廃棄前に再度保存期間を確認しましょう。紙の書類は廃棄前にデータとして保存しておくと安心です。

参考

押さえておきたい文書管理の知識

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2. デジタル時代の模様替えのポイント

ここまでは従来の模様替えの手順をご紹介してきました。昨今、テレワークの普及などで企業を取り巻く労働環境が大きく変化しています。次に、それらの変化に対応した模様替えのポイントについてご説明します。

1.データのメンテナンス

現在、ITやネットワークを利用して業務を行うことは当たり前です。そのため日々蓄積される膨大なデータをそのまま放置しておくと、サーバーが容量不足になってしまいます。さらに必要な情報がどこにあるのかが分からなくなり、サーバーがブラックボックス化する可能性もあります。また、万が一情報流出が起こった場合、気付きにくいといったリスクも発生します。

このような状態になると情報共有が難しくなり、データを捜すのに時間を取られてしまいます。その結果、データを捜す時間が本来の業務にかかる時間を上回ることにもなりかねません。デジタルのドキュメントデータであっても、紙の書類と同様に必要なものと不要なものを常に整理し、きめ細かく管理しましょう。

2.テレワークを前提とした模様替え

テレワークを導入している企業では、オフィスだけでなく在宅勤務の環境整備も視野に入れて模様替えを検討しましょう。

オフィス

在宅勤務など社外で業務を行う社員が増えると、当然ながら常時出社する社員の数は減少します。そのため最近では、郊外や小規模なオフィスへの移転も増えているようですが、デスクの減少で発生する空きスペースの思い切った有効活用も検討してはいかがでしょうか。共用スペースとしてカフェ風のミーティングスペースを設置するなど、デスクとは違いリラックスしながら仕事ができるような余裕のある空間を用意するのもよいでしょう。

会議室もテレワークを前提とした設備を整えるのが望ましいでしょう。最近は他社とのリモート会議やリモート営業を前提とした設備(防音に配慮した個室ブースなど)が当たり前になりつつあるようです。

自宅

オフィスの場合は、労働安全衛生法によって照明やデスクの配置などの基準が定められています。在宅勤務を導入する場合、PCやネットワークの整備だけでなく、デスクや椅子などもできるだけオフィスと同等になるように購入補助(手当)や貸与を検討しましょう。もちろん各社員によって自宅環境は異なると思います。オフィスのように一律に整備するのは難しいかもしれませんが、社員の意見を聞きながらできることから環境整備を行いましょう。

また、自宅で作業していても書類や帳票類が蓄積することもあります。それらの保管方法と廃棄のルールは徹底しなければいけません。普通に家庭用ゴミとして処理して、社外秘文書や伝票が流出しないように注意しましょう。廃棄量や取り扱う内容によってはシュレッダーを貸与することも検討しましょう。

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3. オフィス模様替えでDX時代を見据えた環境整備を

コロナ禍を契機に多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み始めています。DXに取り組むことで、企業の持つ強みや資産を基に業務システムをデジタル化して有効活用し、安定した競争力の高い企業になると期待されています。つまり、企業風土に合ったデジタル環境の構築が求められるのです。

企業で行われるほとんどの模様替えは、単にオフィスをきれいにするというだけでなく、経営者の思いや姿勢が反映されます。企業風土を具現化することが模様替えなのかもしれません。そこでDX時代に向けて、オフィスだけでなく在宅勤務でも企業風土を体感できるような模様替えを検討してみましょう。

例えば、経営者と社員が一丸となって行動することが強みの企業の場合は、イントラネット内に経営者と社員が参加できるグループチャットを導入することが有効かもしれません。リアルなオフィスの模様替えと連動して、業務プロセスのデジタル化やネットワーク環境の模様替えも視野に入れ、全社の環境整備を図りましょう。

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4. ITで解決する働き方改革

テレワークは「今を機に変える働き方」

私たちの生活は、「新しい生活様式」へと変わっていきます。生活のスタイルが変われば、働き方も変わるはず。中でも多くの方が実感したであろう、最も大きな変化がテレワークではないでしょうか。しかし変化が急すぎて、なかなか安心・安全な環境を構築できない。そんなお悩みはありませんか? ITでできる7つの解決策をご提案します。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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