2022年 7月27日公開

【連載終了】読んで役立つ記事・コラム

交通費精算の効率アップと生産性の向上

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

交通費の精算は、外出の機会が多い従業員においては煩雑な作業でした。しかし、キャッシュレス決済やテレワークの浸透で、交通費の精算方法は大きく様変わりしています。

1. 交通費精算の基本

交通費は、業務を行うために電車・バス・タクシーなどの移動手段にかかる経費です。一般的に、長距離や長時間の移動を伴う場合は出張扱いとなり、出張手当や宿泊費も含んだ旅費・交通費精算となるようです。また、出社するために必要な定期代などの交通費は、通勤交通費として給与とともにあらかじめ申請した金額が支払われます。しかし、テレワークの浸透で出社日数が少ない場合は、定額ではなく交通費精算の対象としている企業もあるようです。

交通費は業務の遂行のために発生する費用です。従って経費精算を行う場合は、訪問先・要件・移動方法・経路・日時・金額を明確にして、領収書が得られる場合は金銭授受の証明として添付します。営業担当者など、頻繁に移動する場合は、交通費の立て替え負担を軽減するためにあらかじめ仮払いを行い、後日過不足金額を精算する場合もあります。

交通費精算は、経費精算を行う担当者はもとより、それをチェックする上司や管理職、金額を精査し、小口出金の処理をする経理担当者にとっても大きな手間となる作業となっています。

STEP1:交通費精算書の作成

仮払いを受けている場合は、仮払金額、実費支払金額、過不足金額を記載した仮払い経費精算書も作成。

  • 簡潔に正確な記入を行う
  • 最短・最安経路でない場合は理由を明記

STEP2:上司・管理職の確認/承認

訪問先・要件・同行者など、申請された内容を確認。
記載内容に問題がなければ承認。次の管理者へ。
仮払いを受けている場合は、仮払い申請と実施結果を確認し、問題がなければ仮払い経費精算書を承認。

  • 要件(訪問の時期、必要性、同行者、訪問結果)を精査

STEP3:経理部門の確認、小口出金

記載された経路、金額、領収書を精査・確認。

  • 経路(最短/最安ルート)の確認
  • 通勤定期申請区間との重複
  • 申請金額の確認

仮払いを出勤している場合は、過不足金額計算のチェック。
交通費精算書に問題がない場合は、出金伝票を作成し、立て替え経費の支払いを行う。

企業活動で必要となる交通費ですが、上記のように複数の担当者が煩雑な作業を行うことになります。特に経理担当者は、最短経路の確認や定期区間との重複など、確認項目が多くなります。確認の結果、申請された金額と異なる場合は申請者や承認者に連絡を取って確認します。そのため、経理担当者にとって交通費の精算は、手間とストレスの負担が大きな課題となることもあります。また、テレワークでは、交通費精算や立て替え経費の授受のためだけに出社することの是非も話題となりました。

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2. 交通費精算の効率アップ

大都市圏では、交通系ICカードやモバイルSuicaなど、キャッシュレスで電車やバスに乗ることが一般的となっています。そのため、これらのデータを利用して交通費精算を行うシステムを導入することで交通費精算書の作成・承認・確認作業が大幅に軽減されています。

  • 交通費精算の手間を軽減
    交通系ICカードやモバイルSuicaなどの電子決済サービスを利用することで、移動経路と運賃が自動的に記録されますので、このデータを交通費精算に利用することで精算書に記入する手間が軽減されます。
    また、システムに使用実績が反映されることで、日付や経路、金額を間違えて申請することが大幅に減少します。
  • 不正な申請の防止
    交通費の精算を手書きで行うリスクとして、徒歩で移動したのにバス代を請求したり、途中下車駅を増やしたりするなどの不正行為がありました。しかし、電子決済はサービス提供側がデータの作成を行いますので、個人でデータを改ざんすることは困難となります。

交通費精算システム導入の注意点

精算作業の手間を大きく軽減する交通費精算システムですが、導入の際に注意すべき点があります。

  1. 社内ルールの整備
    社内規定を曖昧にしていると交通費精算書の作成・承認・確認作業が煩雑になり、システムを導入しても宝の持ち腐れになるリスクがあります。例えば、「目的地まで最短(最安)ルートの交通手段で移動する」とした場合、アポイントの時間によっては最短ルートでは間に合わない場合があります。その場合の判断基準(優先順位)を具体的に示す必要があります。また、定期代申請区間の重複について、テレワーク勤務状況を考慮する必要も出てきます。
    そのほか、新幹線や特急料金、タクシー代の扱い、自家用車(バイク含む)の利用の場合、レンタカー、レンタサイクル利用規定なども明確にしておく必要があります。今後は電動キックスケーターをはじめ、新しい移動手段が次々に登場する可能性もありますので、安全上の注意(労災)も含めてルールのアップデートと従業員への周知が重要なアクションとなります。同様に承認・確認の作業についてもルールの設定と厳格な管理運用が必要です。
  2. 電子帳簿保存法対応
    これは、交通費に限らず経費精算全般について当てはまりますが、領収書のデータ化や不正・改ざん防止のためのタイムスタンプ付与の処置などをルール化します。書類の電子化は、システムの進化と規定の緩和などで対処しやすくなる傾向にあります。自社の全体システムと併せて、有効な方法を検討しましょう。

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3. 交通費精算と生産性の向上

現在、国を挙げて書類の電子化やDX化の環境を整えるための法整備が急ピッチで進んでいますが、日常的に多くの従業員が対象となる交通費精算の省力化は業務効率アップに大きな効果をもたらすものとなります。交通費は1件当たりの金額は少額ですが、「ちりも積もれば山となる」ということわざ通り、交通費精算にかかる労力は全社的に見ると大きなものとなります。手作業をIT化することで交通費精算の手間を大幅に軽減し、精算の精度(正確性)や処理スピードが格段に向上します。

さらに、この効果を自社の生産性向上につなげるために、交通費精算のデータを業務日報とリンクさせることで、営業などの訪問活動の労力と成果を検証し効率向上を図ることが可能となってきます。企業のDX化は「交通費精算システムから始まる」といっても過言ではないかもしれません。

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4.会社全体の生産性向上にもつながる経費精算システム

クラウド経費精算システム 楽楽精算

クラウド型経費精算システム「楽楽精算」は交通費、出張旅費、交際費など、あらゆる経費の処理を一元管理できます。会計ソフトとの連携やスマートフォン対応、自動仕訳の機能などにより、経理部門の手入力のミスや手間が大きく削減されます。経理部門だけでなく申請者や承認者にとっても便利な機能が多く搭載されており、経費精算にかかる時間を短縮します。短縮した時間で本来行うべきコア業務へ集中することができるようになり、会社全体の生産性向上にもつながります。

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  • *本記事中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容などは公開時点のものです。

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