2016年10月 1日公開

【連載終了】専門家がアドバイス なるほど!経理・給与

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「年末調整とマイナンバー」の巻

テキスト: 梅原光彦 イラスト: 今井ヨージ

10月ともなると、そろそろ「年末調整」という4文字が頭をよぎる経理担当者も多いのでは? 今年からは例年と違って、マイナンバーの取得・管理・使用が必須事項として求められます。そこで今回は年末調整に必要なマイナンバーの知識を紹介します。

「年末調整とマイナンバー」の巻

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年末調整とマイナンバー

マイナンバー記載が年末調整の標準手順に

今年の年末調整から、税務署と市町村に対してマイナンバーを記載した源泉徴収票、給与支払報告書を提出するための作業が新たに加わります。

マイナンバー管理は徹底して

マイナンバー対策について情報を集めていて、これは大変! と思った方も少なくないでしょう。マイナンバーの取得に手間がかかる、マイナンバーを安全・適切に管理するための業務量・コストが増える、情報漏えいが不安、不要になったマイナンバーの破棄まで管理できるか心配……といった理由で、マイナンバーを社内で管理することに限界を感じて、専門のサービス会社を利用する事業所も少なくありません。もしも外部に依頼しない場合は、自社で責任を持ってマイナンバーを管理・運用していくことになります。

なお、年末調整全般とマイナンバーの基礎知識についてはバックナンバーを参照ください。

「経理担当者が見落としがちな年末調整」の巻

「年末調整で処理できる控除とできない控除」の巻

「年末調整の"困った!"を解決」の巻

「マイナンバー対応講座(税務手続き編)」の巻

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マイナンバー取得での注意

従業員の扶養家族のマイナンバーも忘れずに

毎年、従業員から提出してもらう「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」ですが、平成28年度分からは「個人番号」と書かれたマイナンバー記載欄が設けられています。控除対象の家族のマイナンバーを忘れず記入してもらいましょう。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の個人(法人)番号記入欄は下のとおりです。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の個人(法人)番号記入欄

マイナンバーが取得できなかった場合

役員・従業員からマイナンバーの提供を受けられない場合には、社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを説明し、あらためて提供を求めてください。
それでも提供を受けられないときは、提供を求めた経過等(注)を記録、保存するなどして、マイナンバーが取得できなかったのは事業者側の怠慢・不注意によるものではなく、従って義務違反でないことを明確にしておきましょう。

(注)メールで依頼した場合はそのやりとりを、書面で依頼した場合はコピーを残すなどして保存しておきましょう。

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マイナンバーの転記

次に記載してもらったマイナンバーを源泉徴収票などに転記しましょう。
マイナンバーとの関係に注目しつつ年末調整の流れを説明すると、次のようになります。

1. 源泉徴収票の作成

まず従業員から回収した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に基づいて年末調整の計算をして源泉徴収票を作成する。

2. 作成した書類の交付

  1. 全ての従業員に源泉徴収票を交付する。
  2. 所得が多い人については、税務署にも源泉徴収票を送付する。
  3. 給与支払報告書(源泉徴収票と同内容)を、従業員が住んでいる市町村に送付する。

これに基づき、市町村は住民税を計算します。

マイナンバー転記の要不要

以上、a.b.c.の書類全てに、マイナンバーの転記が必要なわけではありません。転記が必要な場合とそうでない場合があります。

a. 源泉徴収票(受給者交付用)……マイナンバー転記不要

転記は不要です。役員・従業員の全員に交付します。

「給与所得の源泉徴収票」の個人(法人)番号記入欄

b. 源泉徴収票(税務署提出用)……マイナンバー転記が必要

原則、下記の条件に合致する人については源泉徴収票(税務署提出用)にマイナンバーを転記し、税務署に提出する義務があります。

  • 役員(注)は、その年中の給与等の支払金額が150万円を超える人
  • 従業員は、その年中の給与等の支払金額が500万円を超える人

(注)現に役員をしていなくても、その年中に役員であった者を含みます。

「給与所得の源泉徴収票」の個人(法人)番号記入欄

c. 給与支払報告書(個人別明細書)……マイナンバー転記が必要

下記の人については給与支払報告書(個人別明細書)に マイナンバーを転記し、市町村に提出する義務があります。

  • 平成29年1月1日をまたいで、継続して給与の支払いがある人
  • 平成28年中に退職した人で、給与支払金額の合計が30万円を超える人(アルバイトなどの短期就労者も含む)

「給与支払報告書」の個人(法人)番号記入欄は下のとおりです。

「給与支払報告書」の個人(法人)番号記入欄

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会社のマイナンバー記載も忘れずに

会社のマイナンバー(法人番号)の記載

源泉徴収票・給与支払報告書・総括表には会社のマイナンバー(法人番号)の記載が必要となります。

会社のマイナンバーについて、忘れてしまった場合には下記で検索することができます。

参照:国税庁:「法人番号公表サイト」

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テレワークでも対応できる年末調整手続きの電子化

年末調整の電子化なら、大塚商会にお任せ!

年末調整手続きの際、従業員が作成する保険料控除申告書などの申告書は、控除証明書などのデータを活用して簡単に年末調整申告書の電子データを作成することができます。また、給与担当者も電子データで提出されることにより、在宅のまま出社する必要がなく年末調整の手続きを進めることができ、書面での年末調整の場合の書類保管コストも削減できます。大塚商会では、年末調整の「効率化のステップアップ」や「運用例」のご紹介と人事労務の電子化でもっと便利にできる情報を無料ガイドブックにまとめました。ぜひご活用ください。

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