2022年 1月12日公開

【連載終了】読んで役立つ記事・コラム

プラス思考の環境対策

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

環境対策の実施が企業収益向上に効果を発揮する理由とは。
地球温暖化による異常気象や大規模な自然災害が各地で多発しており、世界中で環境保全の意識が高まっています。実は環境対策とは、無駄を省き収益の向上にもつながる取り組みなのです。

1. 企業が行う環境対策とは

現在、国際的に問題となっている地球温暖化を防ぐために、原因となる二酸化炭素(CO2)の削減が求められています。企業でもCSR(社会貢献活動)を通して、二酸化炭素削減に向けたさまざまな取り組みが行われています。

環境対策例

  • 植林など、森林の保全活動
  • 海岸、河川などのゴミ収集活動
  • 売れ残り商品のリサイクル
  • 脱ビニール包装の取り組み(包装紙の削減含む)……など

最近は、企業単独で行うのではなく、地域の他企業や自治体と協力して取り組む「サステイナブル」な活動を行う企業も増えているようです。サステイナブルとは「持続可能な」という意味で、自然にある資源を長期間大切に使用して環境の負荷を軽減し、持続可能な社会を実現することをいいます。国連が提唱して国際的に推進されているのが、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)です。

参考

SDGsと企業の取り組み

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2. 働き方改革と環境対策

コロナ禍以降、テレワークなど働き方改革が急激に進んでいます。働き方改革が目指すものは「業務効率の向上」ですが、環境対策も「省エネルギー化の推進」=「業務効率の向上」であり目指す方向は実は一緒なのです。また、無駄を省くことは収益の向上にも直結します。多様な働き方の取り組みと合わせて、無理・無駄のない環境対策を推進してみてはいかがでしょうか。

環境対策は、省エネ設備の設置など初期投資が必要なものもありますが、手軽にすぐ始められる対策もあります。

オフィスでできる環境対策例

施設・設備

  • 脱エレベーター(階段昇降の推進、相乗りの奨励)
  • 消灯の徹底(人感センサーの導入)
  • 電球のLEDへの切り替え
  • 冷暖房温度、空調管理の厳密化
  • 扇風機、サーキュレーターなどの活用
  • 遮熱シート、ブラインドの活用

OA機器

  • パソコンの離席時の電源オフ(スタンバイモードの設定)
  • 書類の電子化推進(コピー、プリントアウトといった紙使用量の削減)
  • デスクトップPC→ラップトップPCへ移行

働き方

  • フレックスタイム、ノー残業デーの設定・強化
  • テレワークの推進、制度の導入
  • フリーアクセス、残業専用フロアの設置
  • 服装の自由化(Tシャツ、ポロシャツ、セーターなど、気温に対応した服装の着用)

これまでの習慣や意識を変える必要がありますので、ルールの設定・理解を促進し、毅然(きぜん)として運用を進めることが定着のポイントとなります。理解を促進するためには、会社の省エネルギー化実現に向けて社員同士でアイデアを出し合う機会を設けるなど、全社的な取り組みとして省エネ推進の雰囲気をつくることも重要です。

環境対策と収益向上

環境対策を行うことにより、無駄なコストが削減されて収益率が向上する可能性があります。例えば、従業員300人の企業が照明のLED化や省エネタイプのPCを導入して1人1時間当たり0.1円程度の節電を行った場合、以下のようなコスト削減効果が期待できます。

ちなみにスマホの充電器(10w)を1時間使用すると約0.3円といわれていますので、0.1円は20分程度の使用料となります。わずかであっても、年間で見ると数万円の削減効果が表れることになります。

環境対策は可視化して推進

環境対策の効果は分かりにくいため、数値化して可視化することが推進のポイントとなります。例えば、空調の温度設定を1度変更すればどれぐらいの削減効果が表れるのかを数値で表すことで、前述の収益向上と同じように効果が分かりやすくなります。また、目標設定や効果測定も容易にできるようになります。

環境対策のステップ

  1. 現状の数値を把握
  2. 目標数値を設定
  3. 目標達成のための方法を決定
  4. 達成度を確認
  5. 達成できなかった場合は、原因を突き止め改善を図る
  6. 達成した場合は、さらなる削減目標を設定(3.へ)

環境対策と企業価値の向上

環境対策とは地球の温暖化を阻止して、人類が安定して繁栄し続けるための活動です。企業が環境対策を推進することは、持続可能な社会の実現に貢献することであり、社会的に大きな信頼を得ることにつながります。さらに、その信頼により従業員満足度やモチベーションも向上する可能性があります。SDGsでは、地域や国際社会と協調することで、環境対策で開発された製品やサービスを収益の出る事業として成立させることも推奨されています。社会貢献という枠を超えて、企業価値の向上を目指した新たな環境対策を計画してみてはいかがでしょうか。

また、テレワークの普及によりオフィスの環境対策が家庭に波及し、環境対策が広域で広がる可能性も高くなっています。特に、家庭の光熱費は各人が直接支払う立場となるため、敏感になる場合が多いようです。オフィスだけでなく、家庭でできる環境対策のニーズも高まっています。企業として、家族や地域との連携も視野に入れて検討してみましょう。環境対策を通して、会社一社員一家族一地域という広域なネットワークが確立することで、より効果の高い環境対策を実施できる可能性があります。

まずは「環境対策=無駄の削減=業務効率の向上」をキーワードに、できることから始めて持続可能な社会の実現に取り組みましょう。

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3. 無駄と無理のない電力コスト対策

「見える化・見せる化」でできるオフィス・工場の節電対策

ただやみくもに機器のスイッチを切ったり、照明を間引きしたりするだけの節電は、業務に支障が出る可能性が高く、根本的な対策にはなりません。コンセント単位で電力の使用状況を可視化=「見える化」し、コスト意識を高めることで無駄の削減につながります。オフィスでの業務効率を落とさずに節電効果を出すことが重要です。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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