2013年 7月 1日公開

【連載終了】実務者のためのCAD読本

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線が交差する組図から形状を見極める【世界で戦えるGLOBALエンジニアになるための製図技術0(ゼロ)STEP/第4回】

機械系CAD 講師:山田学 イラスト:Naoko Doi

この連載について

組立図ではさまざまな部品が重なって表現されることから、形状線が交錯して部品の形状を見極めることが大変難しくなる。
CADを使う場合、部品ごとに線の色で区別したり、レイヤーによって区別したりすることができるため、簡単に該当する部品の形状だけを抜き出すことができる。
しかし、白黒で紙に印刷した組立図でそれぞれの部品の形状を区別するには、形状を推測する力が必要となる。今回は、組立図から重なる部品の中から形状を推測し、見極められるように練習しよう。

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4 線が交差する組図から形状を見極める

まず、一般的に機械設計に用いられる簡単な組立図の事例を見てみよう。

一般的に機械設計に用いられる簡単な組立図の事例を見てみよう。

組立図とは、機械装置の各部品の形状やレイアウトの情報が含まれた図面のことをいう。
組立図は、手前の部品が後ろの部品の形状を隠してしまうため、奥行きを把握しつつ形状を認識する力、つまり空間認識力が要求される。

この組立図の構成部品は、下記のとおりである。

  1. ケース(1個)
  2. カバー(1個)
  3. ワッシャ(2個)
  4. ボルト(2個)

例えば、これらの部品がどのような形状になっているか、最も簡単な(3)ワッシャを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。
正面図では、ワッシャの厚みの部分が丸見えなので、形状を見つけやすい。またワッシャという言葉から、平たくて丸い板形状の部品であることが推測できる。
平面図では、ボルト頭によってワッシャの内径が隠れているため、ボルトのねじ径より少し大きな穴が開いていると想像しなければいけない。

(注)断面図において、製図上のルールとしてボルトやワッシャは断面にしないため、正面図左側の部分断面図のワッシャに内径を表す実線は描かれない。

ワッシャを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。

同様に、(4)ボルトを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。
ここでの注意点は、正面図において、ボルトのねじ長さよりも(1)ケースに加工されているねじ深さの方が長いことを意識しなければ、ボルトの長さを見誤ってしまう。

ボルトを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。

同様に、(2)カバーを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。
ここでの注意点は、平面図ではボルト頭によってカバーを取り付けるための丸穴が隠されていることである。丸穴の大きさは、正面図左側にある部分断面図にヒントが隠されている。加えて、平面図の4隅と正面図の右端の形状から、四隅に45°面取りが施されていることも見逃してはならない。

カバーを浮かび上がらせるように、赤色に塗ってみよう。