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2016年 1月 1日公開
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前回は、設計者として、知っておきたい計測の基礎知識を理解した。第4回では、幾何公差の基準となるデータムを知ろう。データムは英語で“Datum”と書き、和訳は「基準」と辞書に載っている。多くの設計者が、このデータムの記入法を理解せず、間違って図面を描いている。正しいデータムの使い方と記入法を紹介しよう。
データムとは、「関連形体に幾何公差を指示するときに、その公差域を規制するために設定した理論的に正確な幾何学的基準。例えば、この基準が点、直線、軸直線、平面、及び中心平面の場合には、それぞれデータム点、データム直線、データム平面、データム中心平面と呼ぶ。」とJISで規定されている。
データムの目的は、図面に関わる担当者の視点で異なる。
データムには、一般的に次の二つがある(図1)。
◇データム形体
データム形体とは、データムを設定するために用いる対象物の実際の形体(部品の表面や穴など)のことをいう。
◇実用データム形体
実用データム形体とは、データム形体に接して、データムの設定を行う場合に用いる十分に精密な形状を持つ実際の表面(定盤、軸受、マンドレルなど)をいう。
つまり、データムとして指示した部品の面は、完全な形状ではないので、より精密な面を持つ定盤やゲージ、マンドレル(注)などを実用データムとして接触させるのである。
(注)マンドレルとは、芯金(しんがね)とも呼ばれ、寸法、幾何特性共に高精度な円筒軸をいう。
図1
データムの種類
データム記号は、三角記号と四角い枠を結んで表示し、枠内のアルファベットは図面の向きに合わせる(図2)。三角記号は、黒く塗りつぶしたものと塗りつぶさないもののどちらを使っても構わないが、視認性が良いという理由で黒く塗りつぶした方の使用をお勧めする。
図2
データム記号と向き
データムを図中に記入する際、配置する場所によって解釈が異なるため、注意が必要である。多くの企業の図面で誤って指示されているのが現状である。
サイズ形体とは、寸法のばらつきによって大きさが変化する形体をいう。データムを中心軸に指示する場合、寸法線の延長線上に記載する。データム記号は次の例のうちの一つを使用して、図面に記入することができる(図3)。
図3
中心軸にデータムを指示する場合の記入例
データムを中心平面に指示する場合、寸法線の延長線上に記載する。データム記号は次の例のうちの一つを使用して、図面に記入することができる(図4)。
図4
中心平面にデータムを指示する場合の記入例
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