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2016年 3月 1日公開
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前回は、幾何公差の基準となるデータムの記入法や、形体の一部を基準とするときのデータムターゲットを理解した。最終回となる今回は幾何特性を記入する公差記入枠のルールや、幾何特性の範囲を知ろう。
公差記入枠は水平方向に置き、引出線を対象となる形体に当てる。引出線は公差記入枠の左右どちらから引き出しても構わない(図1)。
図1
公差記入枠の図面指示
公差記入枠からの指示線を記入する際、矢を当てる場所によって解釈が異なる。これは前回に解説したデータムと同じ理屈であるので、下記によって理解を深めておこう。
サイズ形体とは、寸法のばらつきによって大きさが変化する形体を言う。幾何公差を円筒の中心線に指示する場合、寸法線の延長線上に引出線を当てる。引出線の矢は次の例のうちの一つを使用して、図面に記入する(図2)。
図2
中心線に幾何公差を指示する場合
幾何公差を2面に挟まれた中心平面に指示する場合、寸法線の延長線上に引出線を当てる。引出線の矢は次の例のうちの一つを使用して、図面に記入する(図3)。
図3
中心平面に幾何公差を指示する場合
表面形体とは、寸法とは無関係な部品の面や線の形体を言う。幾何公差を表面あるいは母線に指示する場合、寸法線の延長線上から明確にずらした位置に引出線を当てる。母線とは形体の表面上にある任意の1本の線を言う。幾何公差を表面あるいは母線に指示する場合、引出線の矢は次の例のうちの一つを使用して、図面に記入する(図4)。
図4
表面あるいは母線に幾何公差を指示する場合
公差記入枠の持つ要素を紹介する(図5)。
図5
公差記入枠の要素
読者の皆さんは、幾何公差を記入するとき、あるいは第三者の図面を見たときに下記の疑問を持ったことがないだろうか?(図6)
図6
公差記入枠に関する疑問
データムの要不要は、表1のように、主に公差の種類によって決定される。幾何特性には全部で14種類があるが、幾何特性の種類によってデータムの要否が決まるのである。
表1 幾何特性の種類とデータムの要否
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