2022年 1月

実務者のためのCAD読本

板金部品のモデリング 【基本要素形状のモデリング 多面体編/第5回】

監修:山田学 執筆:草野多恵

本シリーズでは、多面体(矩形)形状を作成するに当たっての、基本的な手法や効率の良い作成方法などのコツを解説しているが、今回は板金部品作成について解説する。

この連載について

基本要素を用いながら多面体形状の、より具体的な設計使用方法を解説する。また、主要な3D CADでの手法も併せて解説する。

シリーズ記事

  • *大塚商会では本稿で紹介している全ての製品を取り扱いしているわけではありません。お客様のご希望製品の取り扱いがない場合もありますのであらかじめご了承ください。

3D CADでの板金モデリング

3D CADで板金部品をモデリングする場合、大半の機械設計向け3D CADでは板金専用の機能があるので、これを利用すると良い。(CAD製品によっては「シートメタル」と表現しているものもあるが、ここでは「板金」で統一する)
通常のモデリングは何の制限もなく自由に形状を作り込んでいく仕組みだが、板金モデリングの場合は使用する板の厚みを事前に登録しておけばモデリングができるので、モデリング中に板厚を気にする必要がない点がメリットである。モデリングはあくまで曲げた状態のものを作成するが、そのモデルをそのまま使用して曲げる前の平らな状態(CAD内では「フラットパターン」、設計や製造現場では「ブランク」と呼ぶ)を作成することも可能である。完成状態と曲げる前の状態の両方を一つのファイル内で作成できるので便利である。なお、フラットパターンは使用する材料の定義とともに曲げる前の状態を想定したKファクター(またはK係数、CAD製品によって呼び方が異なる)を設定して詳細に設計することも可能である。

図-1は、板金部品を3D CADで作成した例である。左の完成形状をモデリングし、それを自動で右のように展開することができるようになっている。

図-1 板金部品作成例(Autodesk Inventorを使用)

作成手順はCAD製品ごとに多少の違いはあるが、共通点としては図-2のように、閉じていない線画をスケッチし、「押し出し」ではなく「フランジ」(CAD製品によっては「コンター フランジ」または「ベース フランジ」と呼ぶ)コマンドを使用して幅寸法のみを指定して最初の形状を作成し、その後、図-3のように面の形状を追加していくというのが一般的である。板厚は最初に決めているので作成中は特に指定することはない。

図-2 最初の形状作成の例

図-3 後続形状作成の例

執筆者紹介

草野多恵

大手メーカーの宇宙航空事業部門にて、設計から納品までのプロセス管理を担当。
製造業での実務経験を生かし、CADベンダーで約20年間一貫して製造業向けに3D CADの営業技術などを担当。
現在はフリーランスとして、効果的なCAD導入を支援する活動を行っている。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん!』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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