営業フレームワークの活用法

部下：最近、お客様が固定化してきちゃってますね……どうすれば新しいお客様を増やせるんでしょうか……
上司：とりあえず無理してでも値下げしたら響くだろう。社会情勢？ そんなことは気にせずもっと足を動かそう！
部下：はい……

上司：なんでみんなもっと努力しないんだ……？ 新人も思うように育たないし、このままだと売り上げ目標を達成できないぞ……

やみくもに行動量を上げて汗をかけば、売り上げが上がると思っていませんか？

個人の働きに依存せず、新人でも力を発揮できるようにするには、営業戦略による仕組み化が必要です。今回は、営業戦略立案において有効なフレームワークをご紹介します。

部下：感染症対策として緊急事態宣言が発令されましたけど、どうなるんでしょうね……
上司：うーん、分からないな……とりあえずはこれまでどおりお客様の対応をきっちりしていくしかないね……

世の中の状況を考慮せず、既存の営業だけを行っていませんか？
フレームワーク1
環境を知る＜PEST分析＞

PESTとは、Politics（政治）、Economy（経済）、Society（社会）、Technology（技術）のことです。これら4つのマクロ経済の視点から自社の立ち位置を明確にします。

部下：商品Aについてはリモートワークの普及で需要が下がりそうですね。
上司：そうだね。需要が上がりそうな商品Bに力を入れようか。

社会情勢が変わると、人の行動も変わり、求められるサービスや商品は変わってきます。PEST分析を用いて、時代に応じた戦略の変更を行いましょう。

部下：新規顧客が増えないですね。うちのサービス、新しく始めるにはハードルが高いのでしょうか？
上司：そういうときは値下げだよ！ 多少無理しても値下げすれば響くんじゃないかな。

自社の強みを理解せず、安易な値下げをしていませんか？
フレームワーク2
自社を知る＜SWOT分析＞

SWOTとは、Strength（強み）、 Weakness（弱み） 、Opportunity（機会）、 Threat（脅威）のこと。自社の内部環境と外部環境を、プラス面、マイナス面に分けて分析することで戦略を策定します。

部下：うちって価格帯は普通ですけど、サポート体制は手厚いですよね。
上司：そうなんだ。初めてサービスを利用する人に向けて、導入支援が可能ということを打ち出していこう。

自社の立ち位置を理解し、客観的に長所と短所を分析すれば取るべき戦略がおのずと見えてきます。SWOT分析を活用して、適切な戦略を取るようにしましょう。

部下：今月は世間的に注目が集まっている業界を中心に営業をかけようと思います！
上司：うちの強みである充実したサポート体制をしっかり押し出していこう！
部下：はい！
上司：フレームワークで営業戦略を立ててからやるべきことが明確になってみんな頑張っているみたいだ。ノウハウも共有しやすくなって新人も育ってきているな。
上司：この調子でいけば売り上げ目標も達成できそうだ！

営業戦略や育成方針を定めるために、フレームワークは非常に重要です。ただし、とらわれ過ぎないことも大切です。経験で培われる柔軟な発想も、チームの集合知にできるように多角的に活用しましょう。