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2016年 7月 1日公開
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前回は、形状偏差のうち真直度と平面度の2特性を理解した。 今回は、残りの4特性(真円度、円筒度、線の輪郭度、面の輪郭度)について説明する。
真円度とは、「円形形体の幾何学的に正しい円からのひらきの許容値」と定義される。つまり、真円度の評価対象となる形体は、「円筒断面である1本の円形の線」と認識すればよい。真円度を指示する形体は、円柱や球が対象となる。
真円度が適用する公差領域は、次の1種類のみである。
真円度の図面指示例を見てみよう。円筒軸に真円度を指示する場合、母線への指示になるため、直径の寸法線と指示線の矢を外し、幾何公差値にφは付けない(図1)。
図1
円筒軸の真円度指示例
公差領域は、赤い領域になる(図2)。このとき、軸線方向の測定位置は任意である。
図2
真円度の公差領域
真円度測定機を使った場合の円筒軸の真円度計測イメージを写真1に示す。円筒軸の任意の位置で、その断面となる円形母線を測定し評価する。※本例は一例であり、他の計測方法や他の計測器も使うことができる。
写真1
円筒軸の真円度の計測イメージ
円筒度とは、「円筒形体の幾何学的に正しい円筒からのひらきの許容値」と定義される。つまり、円筒度の評価対象となる形体は、「円筒表面全体」と認識すればよい。
円筒度が適用する公差領域は、次の1種類のみである。
円筒度の図面指示例を見てみよう。円筒軸の表面に円筒度を指示する場合、表面形体への指示になるため、直径の寸法線と指示線の矢を外し、幾何公差値にφは付けない(図3)。
図3
円筒度指示例
公差領域は、赤い領域になる(図4)。
図4
円筒度の公差領域
真円度測定機を使った場合の円筒度計測イメージを写真2に示す。円筒面上の任意の多数断面を測定し、それらの結果を合計して評価する。※本例は一例であり、他の計測方法や他の計測器も使うことができる。
写真2
円筒度の計測イメージ
線の輪郭度とは、「理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的輪郭からの線の輪郭のひらきの許容値」と定義される。つまり、線の輪郭度の評価対象となる形体は、「1本の自由曲線(直線も含む)」と認識すればよい。
線の輪郭度が適用する公差領域は、次の1種類のみである。
線の輪郭度の図面指示例を見てみよう。自由曲面に線の輪郭度を指示する場合、母線への指示になるため、その形体の理論寸法を表す寸法線とともに、寸法線と指示線の矢は外し、幾何公差値にφは付けない(図5)。
図5
線の輪郭度指示例
公差領域は、赤い領域になる(図6)。このとき、断面位置は任意である。
図6
線の輪郭度の公差領域
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