2018年 1月 9日公開

【連載終了】実務者のためのCAD読本

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「フィーチャーベース」と「ダイレクト」を理解する【モデリング手法/第1回】

監修:山田学 執筆:草野多恵

  • CAD
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  • ダイレクト

この連載について

昨今では、設計を行うための便利なツールとして3D CADが広く普及してきた。CADはあくまで設計を支援するためのツールだが、3D CADを設計に取り入れることにより、効率よく、高品質な設計をより短時間で行うことが可能になっている。そこでこの連載では、3D CADの特長、仕組みなどを理解し、効率的に設計ができる理由を5回にわたって解説する。

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1.「フィーチャーベース モデリング」を理解しよう

モデリング手法の一つである「フィーチャーベース」とは、立体の形状作成する手法として、「フィーチャー」を積み重ねて部品を作り込んでいくモデリング手法である。「フィーチャー」とは直訳すると「機能」である。つまり、「機能」を3D形状として定義するモデリングである。従って、CAD製品ごとに微小な差はあるが、代表的なモデリングのコマンドとして次のものがある。

  • 角Rを付けるための「フィレット」
  • 「面取り」
  • 「勾配」

これらをはじめ、直接的なものが多数用意されている。
また、広く一般的に使用できる「突起」、「切り取り」などのコマンドもある。

さらに、このモデリング方法では「履歴」という概念があり、作成した「フィーチャー」は作成した順に履歴として残る。これを使用して、以前作成した形状を、その以前のステップに戻って変更することも可能である。過去にさかのぼって変更した場合、その後に作成されたフィーチャーにもその更新が反映されるので、設計変更に対応しやすいというのがメリットとなる。ただしその際に履歴に矛盾が発生するような変更を加えた場合にエラーが起こる可能性がある。従って、フィーチャー間の関係をある程度把握しておく必要がある。しかし最近の3D CADは、フィーチャー間の主従関係(「親子関係」と呼ばれる)を確認できるツールを搭載していたり、エラーを回避したりすることができる便利な機能が多数搭載されているので、過剰な心配は無用である。

フィーチャーベース モデリングの例

手順1. 押し出し(CADによっては「突き出し」と呼ぶ)

押し出し

手順2. 円筒を作るためにさらに「押し出し」

円筒を作るためにさらに「押し出し」

手順3. 円筒の上面に「穴」を作成

円筒の上面に「穴」を作成

手順4.フィレット(CADによっては「丸みづけ」と呼ぶ)

フィレット

手順5.さらにフィレットを作成
*フィレットは、同一の半径値ごとに分けて追加するのが基本の操作である。

フィレットを作成

手順6.面取り

面取り

手順7.シェル(CADによっては「側壁」と呼ぶ)
*この例では底面をくり抜き、その他の部分をすべて均等の肉厚にしている。

シェル

以上が、「フィーチャー」を積み重ねて部品を作り込んでいくモデリング手法である「フィーチャーベース」である。

執筆者紹介

草野多恵

大手メーカーの宇宙航空事業部門にて、設計から納品までのプロセス管理を担当。
製造業での実務経験を生かし、CADベンダーで約20年間一貫して製造業向けに3D CADの営業技術などを担当。
現在はフリーランスとして、効果的なCAD 導入を支援する活動を行っている。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん! 』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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