2018年 3月 6日公開

【連載終了】実務者のためのCAD読本

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「ソリッド」と「サーフェス」を理解する【モデリング手法/第2回】

監修:山田学 執筆:草野多恵

  • CAD
  • モデリング手法

この連載について

昨今では、設計を行うための便利なツールとして3D CADが広く普及してきた。CADはあくまで設計を支援するためのツールだが、3D CADを設計に取り入れることにより、効率よく、高品質な設計をより短時間で行うことが可能になっている。そこでこの連載では、3D CADの特長、仕組みなどを理解し、効率的に設計ができる理由を5回にわたって解説する。

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はじめに

前回の第1回は、フィーチャーベースモデリングとダイレクトモデリングの違いを紹介した。今回は、第2回目として、ソリッドとサーフェスの違いを説明する。

  • 第1回 モデリング手法 ~ 「フィーチャーベース」と「ダイレクト」を理解する
  • 第2回 モデリング手法 ~ 「ソリッド」と「サーフェス」を理解する
  • 第3回 モデリング手法 ~ 「フィーチャーの履歴」を理解する
  • 第4回 モデリング手法 ~ 「パラメトリック」を理解する
  • 第5回 モデリング手法 ~ フィーチャー間の親子関係を理解する

1.「ソリッド」と「サーフェス」を理解しよう

おのおののモデリング方法の特徴は以下のとおりである。

ソリッド

  • 作成した立体は必ず体積がある。つまり、3次元的な立体であり、その形状は必ず閉じられた形状である。
  • 閉じられた内部は詰まった状態を表現している。従って、重心の位置を算出することができる。
  • ほぼ全ての3D CADは、その立体に対して属性(プロパティと呼ぶことが多い)を設定することができるが、その中で使用する材料の密度を設定し、質量を算出することも可能である。

サーフェス

  • サーフェスは、「面」を作成するモデリング手法であり、ソリッドと異なって閉じた形状である必要はない。表面のみで形状を表現するモデリング手法である。
  • 作成する「面」は厚みが0であり、必然的に質量を持たない。また、閉じた形状を作成したとしても体積はない。
  • 面は存在しているので表面積の算出は可能である。

ソリッドモデルのモデリング(Autodesk Inventorを使用した例)

ソリッド モデル

プロパティを確認すると、材料の密度が示されており、質量や体積などが算出されていることが分かる。

プロパティ確認画面

サーフェスモデルのモデリング(Autodesk Inventorを使用した例)

サーフェス モデル

材料の情報を設定しても、同じくプロパティを確認すると質量や体積などは算出されていない。

プロパティ確認画面

執筆者紹介

草野多恵

大手メーカーの宇宙航空事業部門にて、設計から納品までのプロセス管理を担当。
製造業での実務経験を生かし、CADベンダーで約20年間一貫して製造業向けに3D CADの営業技術などを担当。
現在はフリーランスとして、効果的なCAD 導入を支援する活動を行っている。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん! 』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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