2018年 9月 4日公開

実務者のためのCAD読本

フィーチャー間の親子関係を理解する【モデリング手法/第5回】

監修:山田学 執筆:草野多恵

この連載について

昨今では、設計を行うための便利なツールとして3D CADが広く普及してきた。CADはあくまで設計を支援するためのツールだが、3D CADを設計に取り入れることにより、効率よく、高品質な設計をより短時間で行うことが可能になっている。そこでこの連載では、3D CADの特長、仕組みなどを理解し、効率的に設計ができる理由を5回にわたって解説する。

シリーズ記事

はじめに

この第5回では、第3回で解説したフィーチャーの履歴のメリットとして更新が楽で確実であるという話を踏まえ、なぜ楽で確実なのかについて具体的に解説する。

  • 第1回 モデリング手法 ~ 「フィーチャーベース」と「ダイレクト」を理解する
  • 第2回 モデリング手法 ~ 「ソリッド」と「サーフェス」を理解する
  • 第3回 モデリング手法 ~ 「フィーチャーの履歴」を理解する
  • 第4回 モデリング手法 ~ 「パラメトリック」を理解する
  • 第5回 モデリング手法 ~ フィーチャー間の親子関係を理解する

フィーチャーベース モデリングの基本的な作業手順は、最初にまずこれから作るパーツ形状の大まかな基本形状を作成し、それに対してカットを追加したり、突起を付けたり、角にRを付けたりなどして仕上げていくといったものである。

二つ目以降の形状を作成する際にはほとんどの場合、既存形状に対して追加していくことになる。そこで発生するのが「親子関係」というものである。フィーチャーベース モデリングでは、この親子関係を理解していないと、モデルに問題が起こったときに解決することが困難となるため、この考え方をマスターすることが重要となる。

具体的な例から解説

では以下に、具体的な例を示しながら解説していく。このパーツは以下の手順で作成している。

(1) 土台となっている四角形の立体部分を作成

(2) (1)の上面を基準として円筒を作成

(3) 円筒の根元のエッジにフィレット(角 R)を追加

(4) 土台形状の四隅のエッジにフィレット(角 R)を追加

つまり、以下のような親と子の関係になっている。

親:(1) の土台のフィーチャー

子:(2) の円筒フィーチャー

親:(3) の円筒フィーチャー

子:(4) のフィレット

親:(1) の土台のフィーチャー

子:(5) 四隅のフィレット

執筆者紹介

草野多恵

大手メーカーの宇宙航空事業部門にて、設計から納品までのプロセス管理を担当。
製造業での実務経験を生かし、CADベンダーで約20年間一貫して製造業向けに3D CADの営業技術などを担当。
現在はフリーランスとして、効果的なCAD導入を支援する活動を行っている。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん!』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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