2020年 5月12日公開

実務者のためのCAD読本

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メカニカル解析やCAM機能との連携【3D CADのメリット/第5回】

監修:山田学 執筆:草野多恵

  • CAD

昨今の3D CAD製品は、メカニカル解析機能やCAMのためのツールパス作成機能を有しているものが多い。3D CADと解析機能を連携させることにより、設計~結果による設計変更、といった作業の繰り返しを効率よく行える。また同様に、ツールパスを作成できるCAM機能と連携させることで、設計~切削加工が不可能な形状を発見し、繰り返し設計変更を行う作業が可能になる。

この連載について

今回の連載「3D CADのメリット/全5回」では、より具体的な例を提示しながら3D CADを使いこなすためのコツや注意点などを解説する。

シリーズ記事

CADはモデリング機能だけ使うのはもったいない

昨今の3D CAD製品は競争力強化のため、3Dモデリング機能のみにとどまらず、設計において必要な機能や、3Dモデルを有効活用する機能が搭載されている。その代表的なものが、メカニカル解析機能(CAE)であり、切削加工機のためのNCデータを生成する機能(CAM)である。いずれの機能も、以前は専用ソフトウェアが主流であったため、CADから各種CAEおよびCAMソフトウェアが受け取ることのできる形式にファイルを変換する必要があった。しかし最近では3D CADにこれらのソフトウェアの機能が組み込まれるようになってきた。ファイル形式を変換することなく、モデリング後スムーズにCAEやCAMの作業に移ることができるようになっている。

図-1と図-2はSOLIDWORKSの例である。モデリング環境(図-1)でモデリングした後、解析を実行するには、「Simulation」タブをクリックし解析操作の画面に切り替え、そのまま解析設定の操作を続行できる(図-2)。
解析を実行後、好ましくない結果が出た場合はモデリング関連のタブ(「フィーチャー」または「スケッチ」)に戻ってモデルの修正を行い、再度解析を実行する。こういった繰り返し作業を、ソフトウェアを切り替えることなくスムーズに行うことができる。

図-1 SOLIDWORKSのモデリング環境

図-2 SOLIDWORKSの構造解析環境

執筆者紹介

草野多恵

大手メーカーの宇宙航空事業部門にて、設計から納品までのプロセス管理を担当。
製造業での実務経験を生かし、CADベンダーで約20年間一貫して製造業向けに3D CADの営業技術などを担当。
現在はフリーランスとして、効果的なCAD導入を支援する活動を行っている。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん!』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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