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2012年 3月 1日公開
【連載終了】実務者のためのCAD読本
【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
機械系CAD 講師:山田学
ファーストステップでは、設計と製図の関係から製図の重要性について説明した。セカンドステップでは、読んだその日から製図業務に活用できるよう、投影図と寸法記入の実践的なテクニックをピックアップして全5回にわたって解説する。
まずは、第三者が見て分かりやすく解釈に誤りがない投影図を選択するテクニックから解説しよう。
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第三角法で展開する投影図も、意味もなく投影図を描くと分かりづらいものになる。
正面図の周辺に右側面図や平面図を描く投影法を「正投影」という。正投影を使って描く場合、最も特徴のある方向から見た図を正面図(または主投影図)と決める。次に形状を完全に表現するために足りない投影図を、その他の投影図(平面図や側面図など)として補足する。
図面を描く立場にしろ、読む立場にしろ、正面図から描き(読み)はじめると理解しやすくなる。正面図は、第一印象で形状をイメージできるものを選ぶべきである。
例えば、円筒形状のペットボトルの図面を描くとしよう。
円筒形状であることから、丸く見える方向から見た図を正面図(図1 a)とした場合、平ワッシャのような円盤の中央に穴が開いた形状や、直径の異なる段付き軸の形状などが連想でき、確定した形状をイメージできない。
従って、この投影図からペットボトルであると想像することは不可能といえる。
逆に、ペットボトルを側面から見た図を正面図(図1 b)とすると、幼稚園の子供でも「ペットボトル」と答えることができるくらい特徴のある形状をしている。
しかし、ペットボトルの事例のように明確な特徴がある投影対象物ばかりではない。投影図として明確に特徴の差がない場合は、設計者や製図者の主観で正面図を決めればよいので、必要以上に神経質になる必要はない。
正面図を決めた後、形状を完全に表すために補助となる投影図を選定しなければいけない。意味もなく多くの投影図を選択すると寸法線が1本も記入されない投影図が増え、結果、大きなサイズの用紙を選択せざるをえなくなる。
例えば、図2 の投影図を見て、誰もが右側にある直方体をイメージする。図2 の投影図例で左側面図の代わりに平面図や右側面図を選定しても、類推する形状に違いはない。
ところが、図2の投影図には平面図がないため、へ理屈をいうと図3のような端部に丸みを帯びた形状でも正面図と左側面図は同じように表される。つまり、平面図が描かれていないということは形状に特に変化がないということを暗に示している。
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