2012年 5月

実務者のためのCAD読本

特殊な図示法を使いこなせ【世界で戦えるGLOBALエンジニアになるための製図技術 ~製図実践基本テクニック~ 2nd STEP/第2回】

機械系CAD 講師:山田学

シリーズ記事

2.製図実践基本テクニック~特殊な図示法を使いこなせ

投影図記入テクニック~特殊な図示法を積極的に利用する

前回は、外形形状を第三角法で展開する正投影の選択テクニックについて解説した。
今回は、特殊な図示法を使って、第三者により理解しやすい投影図を描くテクニックを紹介しよう。

いま、3次元CAD上に、段付き軸の中央に穴が貫通し、小径側の円周上にねじ穴が軸線と直角方向に開いた部品があり、これから投影図を描くとする(図1)。

特殊な図示法を説明する前に、投影図の基本を理解しよう。
CAD画面上の計画図には組み立てられる向きに部品が配置されているが、部品単体として取り出したとき、向きにこだわる必要はない。今回は軸形状であるため、旋盤で加工しやすい方向として、小径側を右側に配置することが投影図記入上のマナーである。

第三者が理解しやすい投影図とするため、図2に示すように、a)外形図とb)断面図を比較して、どちらの図が形状を読み取りやすいかを設計者として判断する。従って、ある程度主観が入るため、「外形図を選択するのが正しい」、「断面図を選択するのが正しい」と言い切ることはできないが、断面図には隠れ線がないため理解しやすいと感じるのではないだろうか。これが特殊な図示法の効果である。

断面図を選択するにあたり、すべての形状が断面にできるわけではない。

JIS 製図のルールでは、軸やボルト、ナット、リブ(肉厚を厚くせずに剛性や 強度を大きくするため部材面に直角にとりつける補強材)などは、長手方向に全断面とすることはできない。図2 の部品は、いわゆる軸部品に属するが、図2 b)では全断面図として表している。これは、中央に貫通する穴を見せる意味があるため全断面にしているのである。

ここで、穴のない中実軸の場合、断面にしても形状に変化がでないため断面にしても意味がないのである。軸部品でどうしても断面として表したい場合は、部分断面を使うとよい。

図3より、製図のルール上、a)は投影図として不適切であり、b)あるいはc)が投影図の候補としてあげられる。