この連載について
今回の連載「BIM最前線/全5回」では、BIM(Building Information Modeling)を取り入れたこれからの設計・建設の職能を考えるうえで、知っておきたい最新の情報をお届けします。
【お知らせ】がんばる企業応援マガジン最新記事のご紹介
2.Autodesk Universityの楽しみ方
セミナーは全て英語で行われるため、筆者のようにあまり英語が得意でない参加者にはつらいところもあるのだが、工夫すればなんとかなる。カーボンニュートラルをうたうAutodesk Universityでは、紙の資料は基本的に配布されない。その代わり、事前にプレゼンテーション用のスライドや配付資料がダウンロードできるようになっている。
そこで、クラスに参加する前に必要な資料をダウンロードしておく。筆者はiPadのGoodNotesというアプリにスライドをダウンロードした。クラスの途中で分からない英単語が出てくれば、その場でGoogle翻訳を使って意味を調べながら受講したり、Apple Pencilを使ってスライドに手書きのメモを取ったりすることもできる。
GoodNotesにスライドを表示させてメモを取りながら受講
もしかしたらGoogle翻訳で「同時」通訳はできないかと思い、試してみた。図のようにおおむね翻訳には成功するのだが、タイムラグがあって、連続で日本語を表示するというわけにはいかない。近い将来、そんなこともできるようにGoogle翻訳が進歩しているかもしれないが。
Google翻訳で自動同時通訳
また、先に紹介した基調講演をYouTubeで視聴する場合は、自動翻訳による日本語字幕を表示することができる。ただし、完全な翻訳ではない。例えば、Fusionという製品名を日本語で「融合」と表示するなどの間違いもあるが、慣れれば十分に使える。さらに英語字幕も表示することができるので、英語の勉強も兼ねられる。
Autodesk University 2018基調講演をYouTubeで日本語字幕を表示して視聴
3.二つのテーマを持って参加
650ものクラスがあると、全部のクラスに参加することはもちろんできない。どのクラスを事前登録するか選ぶだけでも大変だ。あらかじめ、自分なりのテーマを決めて参加すると有意義な時間が過ごせる。
今回、筆者は個人的に次の二つをテーマとして、Autodesk Universityに参加することにした。
- 設計と施工・製造をつなぐ、その方法は?
- BIM 360の実務に役立つ使い方は?
このようにテーマを決めて参加すると、講師のプレゼンテーションをより深く聞くことができる。あるテーマについて、講師によって異なる見解があることも面白い。また、オートデスク社やアプリケーションを販売するソフトウェアベンダーからの「あれもできる、これもできる」という宣伝に近い情報もそれなりに役に立つのだが、それ以上にユーザーが発表する経験談/失敗談も楽しい。
例えばRevitのファイルが壊れたときにどうするか、共有ファイルを保存しているクラウドが突然停止したときにどうするか、といった話だ。この手の話は、製品を使い込んでいるユーザーが身近にいなければなかなか聞く機会がないため、貴重な経験談だ。
廊下に掲示されたクラスの一覧表