2019年 4月

実務者のためのCAD読本

BIMxとVR【BIM最前線/第4回】

建築系CAD 講師:鈴木裕二

グラフィソフト社が提供するBIMプレゼンテーションアプリケーション BIMx(ビム エックス)。その多彩な機能や具体的な使い方をご紹介。VR機能も実装するBIMxだが、あらためて現在のVR技術に触れつつ、これからの建築表現やプレゼンテーションの可能性を考える。 

この連載について

今回の連載「BIM最前線/全5回」では、BIM(Building Information Modeling)を取り入れたこれからの設計・建設の職能を考えるうえで、知っておきたい最新の情報をお届けします。

シリーズ記事

1.BIMxの新機能

グラフィソフト社のBIMプロジェクトビューワーBIMxは、ARCHICADというBIMアプリケーションで作られた3次元の3Dの建物モデルと2D図面を、動的に行き来できるように一つにまとめ表示するアプリケーションだ。Windowsだけでなく、iPhoneやiPad、Androidスマートフォン、タブレットで動作する。BIMxは無料のアプリだが、幾つかの機能が追加されたBIMx PROという有償アプリも用意されている。

また、特別なアプリをインストールしなくても、Webブラウザーさえあればインストールの必要なBIMxアプリと同じように建物モデルを表示できるBIMx Web Viewerも、昨年リリースされた。試しに筆者もグラフィソフト社のサイト「BIMx model transfer」に、図のモデルをアップロードしてみた。「プライベート」設定にしたので、一般には公開されない。「パブリック」設定で公開されている幾つかのモデルも表示した。結構大きなモデルの3D表示も2D図面の表示もストレスなく行うことができる。建物内を歩き回っているかのように表示される「ウォークスルー」も楽しいので、ぜひ試していただきたい。Windows PCであればアプリケーションは不要で、Internet ExplorerやMicrosoft Edge、Google Chromeなどのブラウザーだけでこれらを体験できる。前方、後方、左右への移動などのキーボード操作は、[?]で表示されるヘルプで確認できる。

BIMxについての詳細は、グラフィソフト社のサイトを参照いただきたい。

BIMxについて| Help Center(GRAPHISOFTのWebサイトが開きます)

BIMx model transfer(GRAPHISOFTのWebサイトが開きます)

Webブラウザーでサイト「BIMx model transfer」に登録されたBIMプロジェクトを表示

2.BIMxコンテンツの作り方

BIMxで表示されるコンテンツはARCHICADで作られる。ARCHICADで目的のプロジェクトを開き、図のようにあらかじめどの2D図面を含むかなどを設定しておいた「発行セット」を選択し、「発行セットプロパティ」でどこに書き出すかなどを設定して、[発行]ボタンで書き出す。

下図のプロジェクトでも約2分でアップロードが完了した。実に簡単だ。

ARCHICADからBIMxコンテンツを「発行」

3.VRで得られる没入感?

「VRで得られる没入感」という表現をよく目にする。VRは、バーチャルリアリティー、仮想現実などと訳される。こちらは最近、体験する人も増えてきて、市民権を得つつある。「没入感」の方はなじみのない用語だが、英語ではIMMERSIVEとなり、比較的新しい言葉のようだ。写真のようにヘッドマウントディスプレイの外面に3次元表示される空間を見ると、その世界に空間移動したように感じる。これがつまり「没入感」だ。

手に持ったコントローラー一つで指定した場所に移動することができる。高所から墜落する画像を体験するとリアルな恐怖を感じる。ヘッドマウントディスプレイやそれにつなぐ、あるいは内蔵されたコンピューターの性能が上がり、アニメ調の建物や映像の不気味さ、作り物感は消えてきた。

これがあれば、建物の内外を見て設計を確認できる。例えば、ショッピングセンターに1階から3階までの吹き抜けを作ったとしよう。そこで3階の手すりにもたれかかったときに、1階のどこまでを見渡せるかということがすぐに分かる、つまり疑似体験できるのだ。

VRで没入中?