1. BIMを深掘りしよう
2017年から18年にかけて「深掘りBIM」をテーマにBIMアプリケーションを中心とした記事を連載した。今回は「(続)深掘りBIM」として、もう一度BIMに関するテーマをより深く掘り下げてみたい。
全5回のテーマを下記とした。もちろん変化の激しいBIM関連の技術なので、何か面白いテーマが出てくればそのときはすぐに変更したい。
- 教える・学ぶBIM
- LiDARスキャンからモデルへ
- 鋼構造モデルと構造接合
- BIM施工図の今
- 早いBIM
2. 仮想の建築空間を作り体験する授業
金沢工業大学建築学部建築学科の下川雄一教授が、VRを使った授業を本年度から始めた。学生にVR機器のOculus Quest 2を配布して、春から15回にわたって建築の授業が行われた。筆者や筆者の所属するBIM LABOメンバーも、そのうち何回かの授業に参加させていただいた。BIMアプリケーションはコンピューターの中で建築を行うものだが、その建築造形をVRで見ようという授業だ。
使用するVR機器のOculus Quest 2(写真)は価格が37,180円(税込)とVRで使うヘッドセットとしては手頃だ。さらに、コンピューターにつながなくても使用できるオールインワンタイプでもある。これを学生に1人1台配布して授業が行われた。
Oculus Quest 2を使う筆者
3. 大学院の「建築情報特論」授業
授業は大学院の「建築情報特論」授業として行われ、7名の学生が参加した。授業は次のアプリケーションを組み合わせてオンラインで行われた。
- オンライン会議システム Zoom
- VRによるSNS Hubs by Mozilla(ハブス)
VR SNSのHubsについては後で詳しく紹介する。下川教授によれば、通常の対面形式の授業を「形式知の伝達」とすれば、今回の授業は「説明や対話も含めた形式知×感覚知による体験型授業」になることを目指したとのことだ。
参加した学生は、これまでの学部の授業でArchicadやRhinoceros、Grasshopperを学んでおり、図面を見て建物モデルを作成する能力は既に十分身に付けている。
金沢工業大学の下川雄一研究室(https://kitnet.jp/laboratories/labo0123/index.html)