2022年10月 4日公開

実務者のためのCAD読本

速いBIM【(続)深掘りBIM/第5回】

監修:鈴木 裕二

  • CAD
  • BIM

意思決定を速く行えるのがBIMと言われる。一方BIMアプリケーションを使い出して、かえって設計工数がかかるようになったと言われることもある。意思決定を迅速に、設計という作業をスムーズに進めるためには何が必要なのかを深掘りしてみた。これさえあればという特効薬はないが、速いBIMを実現するためのいくつかのポイントを挙げよう。

この連載について

過去の連載シリーズ「深掘りBIM」の続編として、もう一度BIMに関してより深く掘り下げる。

組み合わせて使うARCHICADとRevit【深掘りBIM/第1回】

シリーズ記事

  • * 大塚商会では本稿で紹介している全ての製品を取り扱いしているわけではありません。お客様のご希望製品の取り扱いがない場合もありますのであらかじめご了承ください。

1. 速い意思決定を

「BIMで設計するようになってから設計のコスト、設計にかかる時間が増えた。特にのべ床面積1000m²程度の比較的小規模な建物の設計において、時間がかかっている。どうにかならないか」と、ある設計事務所の幹部から相談を受けた。

BIMを使うとフロントローディングで、「モノ決め」を時間をかけずに行うことができ、従来の設計手法に比べると「意匠-構造-設備」の3つのモデルを重ね合わせて問題点を確認できる。「あたる」「あたらない」の干渉チェックや発注者へのプレゼンを3次元でおこなうことで、問題点を抽出して解決できる。ところがその作業に時間がかかってしまうということだろう。

筆者なりに「速いBIM」を実現するポイントをいくつか挙げてみた。