2022年 9月 6日公開

【連載終了】実務者のためのCAD読本

光造形方式の3Dデータ準備について【初心者のための光造形方式3Dプリンター/第4回】

監修:山田学 執筆:今井誠

  • CAD
  • BIM

前回の「光造形方式の3Dプリンター選定・セットアップ(初期設定)」において光造形方式の3Dプリンターの選定基準および、導入後のセットアップ(初期設定)について解説した。今回は、光造形方式の3Dデータ(3Dモデルデータ)準備について解説する。

この連載について

光造形方式の3Dプリンティングの基本知識を学んだうえで、光造形方式の3Dプリンターの導入、準備、造形、後処理について全5回に分けて解説する。

シリーズ記事

  • * 大塚商会では本稿で紹介している全ての製品を取り扱いしているわけではありません。お客様のご希望製品の取り扱いがない場合もありますのであらかじめご了承ください。

1. 3Dモデルデータの作成

3Dプリンターで造形物を出力する際には、造形物の3Dモデルデータが必要となる。3Dモデルデータの入手方法として、以下の三つの方法がある。

(1) 3D CADまたは3D CGソフトで3Dモデルデータを作成
(2) 3次元形状測定機等の測定手段で取り込み
(3) 3Dモデルデータを購入

(1) 3D CADまたは3D CGソフトで3Dモデルデータを作成

一つ目の方法は3D CADまたは3D CGソフトを使用して3Dモデルデータを自ら作成する方法である。最近では、個人でも利用可能な低額の3D CADが登場し、3Dモデリングの敷居は下がってきている。3D CADで作成した造形物の3Dモデリングデータを3Dプリンターで使用するには、専用の拡張子 xxx(データ名).stlに3Dモデリングデータを変換する必要がある。各3D CADには、このstl形式のデータを作成するコマンド(例えば、3Dプリントコマンド)がある。このコマンドを使うことで、選択した造形物のボディーをメッシュボディーに変換してstl形式の3Dモデリングデータとすることができる。

また、3D CGソフトの使用も併せて検討しよう。例えば粘土をこねるようにして直感的にモデリングできるzbrush(Zブラシ:Pixologic社 有料ソフト)や、頂点をつないで面を作ることでモデルを作成するBlender(ブレンダー:Blender Foundation 無料ソフト)といったソフトを使用して3Dモデリングデータを作成することもできる。

(2) 3次元形状測定機等の測定手段で取り込み

二つ目の方法は3次元形状測定機、3Dスキャナー、CTスキャナー等を使用して3Dモデリングデータを取得する方法である。3次元形状測定機および3Dスキャナーは対象物の表面形状を測定して3Dモデルデータを取得する。図1にスタイラス(測定子)を対象物の表面に接触させて表面形状を測定する接触式の3次元形状測定を示し、図2にそのスタイラスを示す。

図1 3次元形状測定機

執筆者紹介

今井誠

精密機器メーカー、精密加工部品メーカーの研究開発、加工開発、機械設計を経て、都内特許事務所にて知財業務に携わる。2020年にやなか技術士事務所を設立する。主に機械設計、加工方法、3Dプリンター、PL法に関する講演や社内外の研修講師に従事している。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん!』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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