2023年 3月 7日公開

【連載終了】実務者のためのCAD読本

サポートの配置について【光造形方式の3Dプリントのテクニック/第2回】

監修:山田学 執筆:今井誠

  • CAD
  • BIM

前回の記事において、サポートの配置が適切でないと剥離力による回転モーメントが生じ、造形物の造形品質が低下することをお伝えした。今回は、造形品質を確保するためのサポート配置について説明する。

この連載について

光造形方式の3Dプリントにおいて造形精度および品質の高い造形物を得るための造形テクニックを全5回に分けて解説する。

シリーズ記事

  • * 大塚商会では本稿で紹介している全ての製品を取り扱いしているわけではありません。お客様のご希望製品の取り扱いがない場合もありますのであらかじめご了承ください。

1. サポートを配置すべき箇所の検討

光造形で造形する目的の一つは、造形精度の高さからデザイン性の高い出力物を得ることにある。例えば、図1に示すようなキャラクターフィギュア等のデザイン性が高い製品を少数量産したい場合である。

図1 デザイン性の高いキャラクター製品(株式会社ラブノーツ様のオリジナルマスコット)

こういったデザイン性の高いフィギュア等を光造形の3Dプリンターで出力する場合は、造形姿勢だけでなく、サポートの配置も重要になってくる。具体的には、フィギュアを手に取った際に目につくところにサポート痕が残っていると商品価値が下がってしまう。そのため、出力後のサポート痕を消すための表面処理工数も追加となり、コスト増加につながる。このようなキャラクター製品ではできる限り、目立たない箇所にサポートを配置する必要がある。一方で、サポートの配置が適切でないとキャラクターの形状がきちんと出力されず、造形品質が低下することになる。

執筆者紹介

今井誠

精密機器メーカー、精密加工部品メーカーの研究開発、加工開発、機械設計を経て、都内特許事務所にて知財業務に携わる。2020年にやなか技術士事務所を設立する。主に機械設計、加工方法、3Dプリンター、PL法に関する講演や社内外の研修講師に従事している。

監修・執筆

山田学

ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。設計製図の企業内教育を種に活動。著書に『図面って、どない描くねん!』『めっちゃメカメカ! リンク機構99→∞』(共に日刊工業新聞社刊)など。

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